7 / 7
第7話
ぽんと背中を押され、無我夢中で走り出した。
生徒と会うかもなんて心配はすでにしていない。
公園に着き、息を整える。
並んで座っていた石には、今はぽつんと一人だけの後ろ姿。
「奏!!」
奏がばっと振り向く。
「倫、今までど…」
「中学のときから、ずっと好きだった!俺と、付き合ってくれませんか?」
高校生だった俺には、最後まで言えなかった言葉を今はきちんと伝えたい。
駆け寄って来た奏にきつく抱きしめられる。
「お前がいなかった日々は想像以上に辛かった。これからは絶対こんな思いはしない。俺も好きだよ、倫」
ぽろぽろと涙が溢れる顔を奏に見せたくなくて、奏の肩に顔を押し付けて、思いっきり泣いた。
ずっと優しく頭を撫で続けている手があたたかかった。
頰を挟まれ顔を上げさせられて、唇に優しいキスを落とされる。
幸せで溶けそうだと、そっと目を閉じた。
ともだちにシェアしよう!