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おまけ
「ひッ……ぅ……あ、ァ……あぁ」
動くたびに鎖がベッドの脚に当たる音がうるさく鳴る。
「あッ、やだ……やだぁ……」
逃げ出したいのに、両手足には枷が嵌められ、ベッドに繋がれているせいで身動きが取れない。服は切り裂かれ、布切れとなってあちこちに散らばっている。
まるで自分の物だと言わんばかりに俺を犯しているのは、頭部が無く、代わりに首から上で闇色の靄が揺らめくスーツ姿のバケモノだ。違う。「まるで」ではない。俺は正真正銘、彼の物なのだ。
やっとの思いで逃げ出したのに、身体どころか心まで奪われ、が自らここに戻りたいと願ってしまった。
会えない時間を埋めるかのように求められ、逃げた仕置きだと言わんばかりに責められ続けている。
気絶するまで犯されて、起きたらまた意識がトぶまで抱かれて、たまに食事を与えられて。
相変わらず言葉は通じない。彼の名前も分からないし、呼んでももらえない。しかし彼の行動の節々に喜びと優しさが垣間見える。それがどうしようもなく可愛らしく、愛おしく思うのだ。
俺は彼の色に染まりきってしまった。
彼がいればもう何も要らないと思う程に。
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