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第1章
俺は今、担任とキスをしている。旧校舎の空き教室。窓の外では、しとしとと雨が降っている。時折、ピチョンと何かに当たり音を立てる雨粒もあるが、いま聞こえるのは、お互いの荒い息遣いと唾液の交わるグチュグチュとした音ばかり。
「小林。もっと舌出せ。」
「んっ。ハヤト。」
「あ?」
「ハヤトってぇ。」
「分かったよ。ハヤト、もう脱がしていいか?」
返事も待たずに制服のベルトに手がかかる。他のみんなは授業中。俺だけ先生とセックスのお勉強中だ。
「ほら、そこ手ついて。」
「ねぇ、顔見てシたい。」
「解したらな。今日は入れていいんだろ?」
こくりと頷く。俺は今日、処女を捨てるつもりだ。いつまでも取っておいても意味が無い。先生に背を向けて、今は誰も使っていない古ぼけた机に手をつく。誰かが暇つぶしに掘った落書きが視界に入る。『参上』って誰がだよ。
「んっ!」
「外に塗ったら垂れるから、中に直接な。指入れるぞ。」
「ん。いいよ。」
先の細くなったローションの容器が差し込まれ、中に直接冷たいそれを流し込まれるのにも慣れてきた。つぷりとゴツゴツした先生の指が入ってくる。まずは一本。中の指を動かしながら、入口も中と外から解していく。不快感ばかり覚えるこの行為も、先生から与えられているのだと思えば耐えられる。
「指増やすから、力抜け。」
「んっ、あっ!」
「大きな声出すなよ。」
「だって、いきなりっ。」
「大丈夫。解したから切れて無いよ。」
「ぅん。」
中に入ってきた指が三本、バラバラに動く。中をぐるぐると拡げられ、くぱっと指が開けば入口も拡がっていく。そのうち、先生の指が前立腺を掠めた。
「んっ!!」
「ここだろ。膨らんできたよ。」
「っ!ゃぁ。」
空き教室とはいえ、ここは学校だ。大きな声を出せない。咄嗟に手で口を塞ぐと、先生の空いた腕でグイッと机に乗せられた。チンコが机に擦れ、肘で身体を支え腰を上げる。
「いい子。」
「んっ!ふぅっ!!」
絶え間なく前立腺をコリコリと刺激され、チンコから先走りがタラリと落ちて机にシミを作っていく。
この春、先生は俺の担任になった。元々、体格のいい先生の事は気にはなっていた。授業中にぼーっとしていた事を咎められ指導室に呼ばれた時、先生の唇を噛むようにキスすると、すぐに応えてくれた。生徒に言い寄られるなんて日常茶飯事なのかもしれない。誰もが秘密にしているだけで、この学校には生徒と関係を持っている先生は他にも居るだろうし、先生と関係を持っている生徒の方が多いかもしれない。この先生だって、この教室で女生徒を抱いているのを目撃した事がある。いわゆるスラム街の生徒が通う学校だ。性行為なんて日常の一部でしかない。
「こら、集中しろ。」
「んんんっ!!」
ぎゅうっと押し込まれるように刺激され、ガタガタっと机が音を立てる。怖いくらいの快感で、段々と何も考えられなくなる。それでも、中への刺激だけじゃまだ達する事は出来なくて、苦しくて涙が出てくる。
「せんせぇ、もうっ、さわってぇ。」
「イっちゃうと、すぐ寝落ちるだろ。もう少し我慢しろ。」
「んんっ!!」
ズルっと中から指を抜き取られる。その少しの刺激でさえ気持ちが良くて、膝が震え、机が音を立てる。
「音出ちゃうから、床でするか。汚れるから上も脱げ。」
「…む、むりぃ。」
「ったく、世話が焼けるな。」
ガタガタと震える指では上手くボタンが外せず、机の上でひっくり返されYシャツを脱がされる。
「ひっ!」
「どうした?」
「せんせぇの手、つめたい。」
「そうかぁ?お前が熱いんだろ。」
手を引かれて、床へと下ろされる。誰も掃除していない埃っぽい床へ背中を下ろした。
「本当に顔見ながらでいいんだな?負担かかるぞ?」
「いい。早くシよ。」
「分かった。大きな声出すなよ。」
「キスして塞いでよ。」
「ハハッ、どこでそんなん覚えてくるんだ。学校の勉強もそのくらい熱心にやれよ。ほら、入れるぞ。力抜け。」
「んっ!!」
スリスリと入口に擦り付けられていた先生のチンコが、つぷりと中に入ってくる。指とは全然違う太さで、グイッと押し付けられて、咄嗟に首を横に振った。無理だ、と口にしようとしたのに、その声は先生の口の中へと消えてしまう。頭をぎゅっと固定され、深く深く口付けされながら、熱い塊はローションのヌメリを借りて奥へと進んでくる。
「っは、キッついな。ローション継ぎ足すから。」
「んっ、はぁはぁはぁ。せんせ、もう」
「無理じゃないよ。ここまで入ったんだから全部入るよ。」
ブチュブチュブチュっと音を立てながら、新しいローションが継ぎ足され、滑りが良くなったチンコがズブズブと埋め込まれる。苦しくて「ひゅっ」と息を飲むと、呼吸の仕方が分からなくなった。
「おーい、こばやし〜。大丈夫だから、ゆっくり息吐けぇ。」
「っ、ふぅぅぅ。んっ!」
「よしよし。もう一回。もうすぐ全部入るから。」
ゆっくり息を吐けば少しづつ呼吸は戻ってくるが、吐き出す度に先生のチンコも中に入ってくる。痛くて、怖くて、涙が止まらなくなる。
「せっ、せんせぇ。」
「んー?…よし、全部入った。頑張ったな。」
「ぜんぶ?はいった?」
「うん。入ったよ。見てみろ、ここまで入ってる。」
恐る恐る目をやると、お腹がぽっこりと膨れていて、そこに先生のチンコが入っているのがありありと分かる。
「ぜんぶ…?いっ、痛っ!」
「ああ?あー、ちょっと切れちゃったかな?あとで薬塗ってやるから。」
「こ、こわぃ。」
「怖くないよ。頑張ってくれてありがとな。」
「…うん。」
「こばy…ハヤトは偉いな。」
「ん。」
頭を撫でられて、嬉しそうな顔をして見せる。本当は嬉しくなんかない。俺がどんだけ先生を好きになっても、先生にとって俺はいち生徒でしかない。2年2組出席番号8番の小林。
「ハヤト。もう動いていいか?」
「…。」
「大丈夫。すぐ気持ち良くなるよ。」
不安の方が大きい。怖いし、気持ち良さなんて全然無いし。でも、ここまで来て「嫌だ」なんて言ったら、もう先生に抱かれる事も無いんだと思うと悲しくなる。頷くしかなかった。先生が腰を引くと、ズズっと中からチンコが出ていく。大きな手で腰を掴まれてドチュっと奥まで入ってくる。入口は痛いし、身体の中に異物があるのに慣れない。怖くて痛くて両手で先生にしがみつくと、先生はふふっと笑って抱き締め返してくれる。
「大丈夫だよ。怖くないから。」
「ぅんっ、うんっ。」
きっと先生にとっては俺は小林のままで、中学卒業を迎えるに違いない。好きだけど嫌い。抱き締められても虚しいだけなのに、少しだけ嬉しい。
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