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第10話

 告白され、返事をしてから。 「美波さんの自由にしていいですよ。今まで付き合ってくれてありがとうございます」  と、俺の監禁生活はあっさり?と終わりを迎えた。 「美波さん、ナカのもの掻き出さないとお腹壊しちゃいますね」 「え、そうなの?」 「うん。だから風呂場で掻き出しましょか、俺手伝いますから。お湯の設定してくるからちょっと待ってて」 「あ、ありがと……」    スッと。藤咲が自然といなくなる。  俺から離れていく。  さっきまであんなに一緒にいたのに。  なんだか。……寂しい気がする。 「おまたせ美波さん。……って、なにその物欲しそうな顔」 「え…っ?」 「すっごいエッチな顔してましたよ。外でそんな顔しちゃダメですよ?」 「するわけないじゃんッ」 「ならいいけど。……さ、風呂場に行きますよ〜〜。さ、俺の肩に捕まって。まだ歩けないでしょ?」  フワッと香る藤咲の匂いが心地よくて。  俺を抱えながら軽々と歩く藤咲の機動力にビックリしたりして。  あんな細い身体のどこにこんな力があるんだろうって。  不思議に思ったりして。 「はい到着。お風呂も沸いてますから」  洗面所でテキパキと俺の上着を脱がし、自らも全裸になる。  浴室に入ると、藤咲が的確に指示をする。 「美波さんは壁に手をついて、ちょっと腰を突き出した感じ……そうそう、そのまま待っててくださいね。シャワーの温度調節しますんで」 「う、うん……」  なんだかドキドキする。  シャアアアア……。  シャワーの音。 「ん、こんなもんかな。美波さん、お湯入るよ」 「うん」  ジョボボボ…ジュププ……。 「あ……ァァ…っ」  俺のナカに生暖かいお湯が入ってくる。  洗い出される藤咲の精液。  なんだか、寂しい。  寂しくて。  寂しくて。 「えっ…!?美波さん!?どしたの!?暑かった??」  俺はボロボロと涙を流していた。 「違うの、そうじゃなくて……」  涙止まんない。  ──フワッと、また藤咲の香りに包まれた。  藤咲が俺を抱きしめてくれている。  この感覚……ドキドキする。  ドキドキする。 「洗浄終わったよ。美波さん大丈夫?無理させちゃいました?」  藤咲は優しい。  この優しさがリアコ枠たる所以。 「違うの。……俺のナカから藤咲の精液がなくなってくのが、なんでか寂しくて、それで……」 「え、それって……?」 「今もおかしくて。今までだって藤咲に近かった事あったのに、今、すごくドキドキしてて……──んンン!?…んふ、ぁ…ん」  唇を奪われる。  でもそれが、嬉しい。 「んん……」  藤咲をもっと感じたくて、両腕で抱き止める。  あっ。  藤咲も俺を抱きしめて返してくれてる。  ……嬉しい……。  その感覚が心地よくて。  ゾクゾクする。  キュンキュンする。  キス、きもちいい。  気持ちよすぎて。  あっ、俺……。  ビクンビクンと身体が跳ねる。  キスだけで…イッちゃったぁ……。 「ふあぁ……あ…ッ」  藤咲にキスされるとすぐ気持ちよくなる。  多幸感っていうのかな?ソレに包まれてるみたいで。  すごく、安心する。  匂いも。  体温も。  与えられる行為も。  すごく。  すごく。  心地よくて、安心する。  藤咲といると安心するんだ。  藤咲といると気持ちいいんだ。  藤咲といると心地いいんだ。  俺、もしかして。  藤咲のこと……好きになってる……? 「美波さん?どうしました?」 「はぇ!?あ、うん…っ!なんっ、でも、ない…ッッ!!」 「いや明らかにおかしいですよ?」  覗き込まれる。  というか。  そっか、俺、今まで藤咲とキスしてたから……顔が近いの当たり前なんだった……。  ……あ。  やっぱまつ毛長い。  綺麗な澄んだ瞳。  サラサラの髪。  薄い唇────  見惚れてしまう端正な顔立ち。  やばい。俺、ドキドキしてる。  どうしよう。  俺。  藤咲のこと、好きになっちゃった〜〜!?

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