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第9話

 藤咲に告白された。    それもセックスの最中に。  答えを躊躇してる俺を急かそうと、俺のナカにいる藤咲のモノをゆっくりと動かして快楽で揺らしてくる。 「んあ…んん……ッ」  ゆっくり焦らしながら動かれる。  たまにコツンと奥を突かれて身体が跳ねる。  まるで催促されてるかのように。  藤咲のことは嫌いじゃない。  むしろ二択でいうなら好きだ。  ただ。      藤咲の求めている好きとコレは違う。  藤咲のことは好きだ。  むしろ尊敬してるくらい。  人のために尽くす優しさ。  相手の目線に立って話せる気遣い。  そつなくなんでもこなせる器用さ。  その場を支配する話題性と会話力。  褒めれるところはいっぱいある。それくらい彼は魅力的な男だと俺は思う。  本人は三枚目を主張してるけど、俺はカッコいいと思うし整った顔立ちだと思う。  本人は気にしてるけど、無駄な筋肉のない細くて白い身体はとても美しいと思う。  でも、愛してるのとはまた違うと思うから。  思うから……。 「ごめん、藤咲……俺──……あっん!?」  突然俺のナカにいた質量が動き出す。 「言ったでしょ?答えたら動くって」 「でも、でも俺いい答えじゃ……あぅ!あん!あっは、ぁァァん!奥、スゴイぃぃ…ッッ」 「分かってたから……」 「え…っ?…あっ、やだ、藤咲、ソコやだアァァ…ッ」 「俺は美波さんのことが好きです。それが伝わればいいので」  藤咲……? 「今は俺で。ただ、ただ気持ちよくなってて?……八雲さん」  あっ、また激しく……!!  藤咲が俺の左脚を高く掲げて、さらに奥へと突いていく。 「あっ!奥、当たって…る、からぁ、それダメぇ!藤咲ダメえぇェェ、も、またクるから、またイクの、またイッちゃあぁぁァァァ〜〜……ッッ!!」  ドクン…ッ!  あ。  藤咲の精液が俺のナカに注がれる。  熱いのが……キてるぅ……。  ハァハァと肩で息をする藤咲はとてもカッコよくて。  ついウットリと見惚れてしまう。 「ん、美波さん?」 「あ、いや。ごめん」 「?」  なんでか恥ずかしくて言い出せなかった。  いつもなら言えるのに。 「どう?俺とのセックス。気持ちよかったですか?」 「うん。…その、すごかった……」 「そっか、ならよかった」  藤咲の寂しそうな笑顔がなんだか嫌で。 「あの、ねえ藤咲。さっきの返事なんだけどさ。…その……時間、もらってもいいかな?」 「ん?別にいいですけど……──って事は、まだ脈アリって事!?」  まるで花が咲いたような笑顔。  うん、藤咲にはこっちのが似合う。 「うん、まぁ。そうなる、のかな??」 「じゃぁ俺!猛アタックしますから!覚悟しててくださいねっ!美波さん!」  ウインクをされて。  その顔もカッコよかったなんて。  恥ずかしくて言えないのは何でなんだろう?

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