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第8話

 美波さんが。  俺の背中に手を回してる。  その事実が一瞬信じられなかったけど、紛れもない真実で。 「昌也…あっあっ…ま、さやぁァァ……」  名前も呼んでくれて。  俺なしじゃイケない身体になってて。  すごく愛らしく求めてくれる。  愛しい。  可愛い。  それに、……美しい。  時折り快感に跳ねる身体。  しなぐ身体。  汗が飛び散る身体。  筋肉質なのにどこか中性的な肉付きで、見るものを魅了するには充分で。  だからこそ。  閉じ込めたかった。  最近の美波さんの周りにはいろんな人が行き来してて。  美波さんは、一度会った人の顔と名前を忘れない。  社内の人や取引先、とにかくさまざまな人への感謝の気持ちを体現化する人だ。  それはすごく良いことだ。  いいことなんだけど。  それはつまり。  ──俺の敵が増えるって事でもあるんだ。  実際、美波さんをいやらしい眼で追っている輩は何人も見たことがある。本人は気付いてないけど。  言いたかないけど、同族だから分かっちゃうんだよね。  だから俺は。  先手を打った。  誰かに取られるくらいなら、いっその事。閉じ込めてしまおうって。 「美波さん、このあとヒマですか?まだ仕事ある?」 「いやないけど、明日休みだし。どしたの?」 「これから俺んちで飲みません?」 「へぇ、藤咲から誘ってくるなんて珍しいね。桜井みたい」  ふふッと笑う美波さんの笑顔が俺に向けてなのか桜井に向けてなのかが解らなくて。 「…………」 「藤咲?」 「──あぁ、ごめん。まぁ俺自炊出来ないからコンビニのつまみとかになりますけど……」 「うん。たまにはそういうのもいいよね。いいよ、……行こ?」  穏やかに微笑む美波さん。    この人を、誰にも触れさせたくないって心の底から思ってしまった。 「あん!あぅ!ああァァァん!昌也のすっごいィィ…奥、キてるのぉ……!俺ずっとイッてる、昌也に突かれてイッちゃってる…!イッてるの止まんないいィィ〜〜……ッッ!!」  もう美波さんから精液は出ない。  いや、途中からナカイキしてんのかな?  ずっと微弱な痙攣を繰り返してるのが愛おしい。  俺を離さまいと背中に巻かれた両腕。  力が入らないのかダランと真横に開いた両脚。  こんな姿。  誰にも見せたくない。  俺だけの、美波八雲。  美しい。  俺だけの。──八雲さん。  ムッチリした白い胸の先にあるプックリした乳首を口に含む。 「ふぁァァ、ちくびいぃ……」  だって美味しそうだったから。  舐めて。 「んんぅ…」  転がして。 「んはぁ…」  吸って。 「ひぁァァ」  甘噛みする。 「はあァァァん!」 「噛まれるのがいいの?」 「え、分かんな……」  オドオドする瞳。  可愛いなぁもう。  甘噛みしつつ吸ってやる。 「ひん!や、ぁ、ァァァそれやだぁァァ…!やっ、やだ、取れちゃう…ひぁ…ん!」 「かわいい、八雲さん」  もう片方の乳首も指で弾いてやる。 「あっ、あっっあっ、や、すご、すごい、きもちぃ、きもちぃの、昌也、まさやぁ、乳首きもちぃィィ…いいよぉ…」  素直な美波さんは本当に可愛い。  まあ、そうさせたのは俺だけどね。 「どこもかしこも感じやすいんですね」  腰の律動を再開する。 「んあっ!んあん!奥、また突いちゃダメぇ…っ」  素直に喘ぐ美波さんは本当に可愛い。  可愛いから。  もっと喘がせてあげたくなる。 「やぁ、あっ、あっ、あァァァあん!あぅ、俺またキちゃう、奥ヤバいから、だめ、ダメぇ!キちゃう!またクる!またイックうぅゥゥ〜〜……ンンッッ!!」  ビクンビクンとしなる身体。  汗と涙とヨダレでベチャベチャの美しい顔。 「エッチだなぁ。えっちだね。俺えっちで可愛い八雲さん……すっごく好きです」 「ま、さやぁ…?──あ…っん…やぁ……ん」  ゆっくり腰を動かしながら。 「八雲さんはどう?俺のこと好き?」 「あっ…今、…んぅ…それ、聞く…の……っ?」  逃げ道無くしたいからね。  出来るだけ俺に有利な時に聞いておきたい。 「俺は美波さんのこと好き。愛してるよ?」  少しだけ腰を速める。 「ふぁあ…ッ!言わせる気、…あん!…ない…っ…じゃん…!あぅ、あっあっん、ヤダもっとはやく突いてぇ…っ」 「答えてくれたら突いてあげますよ。美波さんは俺のこと好き?嫌い?」 「嫌い…じゃな……アッ…っん…」 「じゃあ好き?愛してる?言わないとずっとこのままですよ?」  逃がさない。 「お、俺は…あっん!…藤咲のこと……ん…っそんな急に、言われても…あぅん…っ…」 「じゃあこのままで」  俺も辛いけどね。  はやく返事ほしいなぁ。

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