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第7話
奥が疼く。
奥が疼いてたまらない。
藤咲ので奥を突いてほしい。
藤咲のを挿れてほしい。
藤咲が、……ほしい……。
「んぅ、む、ぁ…んふ、…んンン…っ」
キス。
きもちいい。
舌吸われる度、ゾクゾクする。
ゾクゾクして。
もっと、もっとと催促したくなる。
あ。
キス、終わっちゃう……。
名残惜しそうに唇が離れていく。
「トロットロだね。──八雲さん」
あ、名前。
また呼んでくれた。嬉しい。
たったそれだけのことなのに、俺の奥底はキュンキュンが止まらない。
藤咲が欲しい。
はやく挿れてほしい。
挿れて欲しくて……。
「ふふ。腰、揺れてますね?八雲さん」
「あ……っ違……!」
「ほんとに?ちがうんですか?」
「ぁ……ァ…ぁ……ッ」
違わない。
でも。
まだ、素直になりきれない自分がいて。
「お、奥が……疼いて……ッ」
「この奥?」
ナカに入ってる左手指が忙しなく動き出す。
「あっ!ソコおぉぉ…っ…やぁ、やっん、うぅぅゥゥんん!!奥が、奥が疼くのおぉ…ッ」
「指だと届かないね」
ちゅく。
くち。
くちゃ。
「ふあぁァァ……ァァん…指、ゆび…ぃ…ちがぅ…ぅぅ…」
「言って?八雲さん。何が欲しいの?」
ぐちゅ。
ぐっちゃ。
ずち。
「ああアアァァん!藤咲、ふじさきぃ…指、届かないよぉ……たすけて、藤咲、助けてぇ…ッ」
気持ちよすぎてクラクラして、この状態をなんとかして欲しくて。つい懇願してしまった。
「──もう、美波さんには敵わないや」
一気に指が引き抜かれる。
「ひぃ…っぅ…」
藤咲が膝立ちで、俺の目の前で。
これ見よがしと。
ベルトとジーンズのジッパーを解放する。
「あ…あぁ……それ……」
大きく勃起した藤咲のモノが俺の目前に現れる。
「コレがほしいの?」
勢いよく首を縦に振る。
「今の美波さんの顔、ヨダレと涙と汗でベチャチャですっごいえっち。でも俺はそんな美波さんも大好きですよ」
だいすき……。
その気持ちに応えたくて、たどたどしくも今言える本音を伝える。
「ほ、欲しい……藤咲の欲しいの……ぉ、奥が疼いてたまらないの……」
こんな発言をする俺を見て、藤咲が穏やかに微笑む。
「うん、俺も。素直な八雲さんのココに挿れてあげたいです」
挿れて。
挿れて。
はやく。
はやく……。
「その前に。コレ、もう要らないですね」
そう言うと、藤咲は俺の両手を封じていた手枷のネクタイをほどき、外し投げ捨てる。
「痛かったですか?」
「ううん。痛くないよ?」
キス。
「そっか、ならよかった。跡にもなってないですね」
キス。
キスされるたびに奥が早く早くとキュンキュン急かしてくる。
「ふじさきぃ……俺、おれぇ…」
「トロトロな八雲さん。俺だけの八雲さん」
腰をグイッと前に引き寄せられる。
あっ。
挿れられる……。
「絶対に、──離さないから」
多大な質量が俺のナカを侵攻していく。
「あ…!アッアッアッ、すご、ぃの、あはアァァ…きもちいィィ…」
「八雲さんのナカ、すごいうねってる。熱くて最高」
嬉しい。
──コツン。
「ぁっん…奥、キタぁ…」
「ねえ、美波さん。美波さんも俺のこと昌也って呼んで?」
藤咲の名前。
改めて呼ぼうとするとなんか照れる。
「ふじ、ぁ……ま、さや……?」
「よくできました。えらい八雲さんにはご褒美あげないと…ねっ!」
ズン!
「ひぁアァァんンン!!あっあっあっあう、あふぁ、ひ、ぃ…お、奥すごいィィ……!アッアッアッ俺またイク、イッちゃアァァ〜〜……ッッ!!」
「八雲さん……」
「昌也、ま、さやぁ…──あっんぅ、ふ、んむ…ぅ……んん…ッ」
キスされて下からも突かれて。
頭の中がぐちゃぐちゃで。
身体はもうずっと痙攣しっぱなしで。
多分俺、ずっとイッてる。
舌吸われてイッて。
奥突かれてイッて。
上顎なぞられてイッて。
奥突かれてイッて。
もう、ワケわかんなくて。
でもキモチイイのは変わらなくて。
気持ちよすぎて。
それを昌也に伝えたくて。
俺は無意識に。
彼の背中に腕をまわして抱きしめていた。
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