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第13話・招かれざる客。(7)

 もうひとつの頭が彼の足を狙う。  やはり一筋縄ではいかないようだ。  エイドリアンはひとつ舌打ちすると、もうひとつの頭に右の足を乗せ、後方へ跳んで回避した――のも束の間、ケルベロスの鋭い爪がエイドリアンの胴を薙いだ。  エイドリアンはケルベロスの焼けるような鋭い攻撃を脇腹に喰らい、膝を付いた。

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