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第2話

人生ってある日突然、方向を変える。 何不自由なく“苦労”とか“不幸せ”なんて言葉とは程遠い生活をしてた。 筈なのに・・・・・・・・・ 不幸は音も無く僕に近付いてきて、幸せは音をたてて崩れ去った。 それはまるで砂浜に作った砂の城みたいに波に浚われていく。 『すまない、宙夢(ひろむ)。』 謝られたって許せる訳ない。 『すぐに迎えに行くから。』 そんな口約束信じる程、僕はバカじゃないから。 両親から借金の代わりに売られたあの日、僕は何もかもを諦めた。 望んだってあの幸せだった日々は戻らないんだから。

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