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第16話

急いでワンフロア上にあるプライベートルームに行く。 カードキーを差し込んで勢い良くドアを開けるとリビングに向かった。 「お帰りなさい。食事の用意が出来てますよ。」 ダイニングテーブルではなくリビングのガラステーブルに並べられた料理の数々。 その前にはちょこんと床のラグに直に座った世蓮が笑顔で迎えてくれた。 上がった息を整えながら世蓮に近付くと隣に腰を降ろす。 「これ・・・?」 どうしたか訪ねると世蓮が俺の乱れた前髪を梳きながら教えてくれた。 「金さんが用意してくれたんです。『颯天さん、かなり落ち込んでたんで世蓮さんが癒やして差し上げてください。』って。」 まったく・・・・・・・・・ 本当に有能過ぎなんだから。 俺の秘書殿は。 だから頭が上がらないのかもな。

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