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第3話 ユウタは従弟 ☆

翌朝。 案の定いつもよりも、少し早い出勤時間だったのにも関わらず、ユウタは真里夜の後ろから声を掛けて来た。声を掛けてきた、エントランスには同僚や他フロアの社員の姿がまばらだったがあった。 「真里くん!!」 「・・ユ、ユウタ?」 「!!!! 真里くん!ぼ、僕!! ゴメン!!」 「?!」 会社のエントランスホールで、ユウタが急に両手で顔を抑えながら泣き出した。 「僕が、當麻(とま)さんに選ばれたからって・・・、冷たくしないでよ!!」 「・・えぇ?」 急に泣き出したユウタに、驚きつつも、『當麻とは、一体・・・』と真里夜は頭を捻ったが、ユウタの首筋に見えた赤い鬱血痕を見つけ 、その名前が自分の婚約者候補だった男だったと思い出してうんざりしてしまった。 すっかり忘れていた存在に対して、冷たくする理由も無い、真里夜はどう反応していいのか解らなかった。それよりも、こんな所で大声を出しているユウタに真里夜は頭を悩ませた。 ユウタの大声で、出社していた会社の人達も、何事かと思いつつ、真里夜の姿を見て「またか」と横目に通り過ぎていた。真里夜は、この状態のユウタを無視する事が出来ずにいた。 「ユウタ・・・。安心して、君と彼の幸せを邪魔しないし、二人の幸せを心から祈ってる。」 「・・・。」 「だから、こんな所で泣かないで。」 そう言って、ハンカチを差し出した真理夜の指に光る物を見つけた、ユウタは押し黙った。 「ユウタ、ゴメン。急ぎの仕事があるから、もう行くね!」 ハンカチを渡し、IDを翳して中に入っていった真里夜は、エントランスに残されたユウタがどんな顔をしていたのか知る余地は無かった。 ただ、其の場に居合わせた同僚に、その日真里夜は「夜道には気を付けろ」「背後に気を付けて」等と心配され、真里夜は苦笑するしかなかった。 あのユウタの行動は、毎度の事だった。 ユウタは自分が「選ばれた」事を、真里夜に見せつけるのだ。 その度に、真里夜はユウタを「選んだ」モノにもユウタ自身にも、興味を無くしていった。 それでも、いつも最初は少し期待してしまうのだった。 もしかしら、今度こそは「自分だけ」になるのでは無いかと。 だから、真里夜は、自分の左薬指のリングの重みに、無自覚にも少し浮かれていた。 今までの、婚約者候補達は、婚約の証をくれた事も提案してくれた事も無かった。 けれど、舘岡は形として、真里夜に示してくれた。 これは、真里夜だけのモノだった。 他人が羨んでも、欲しがってもコレは人に分け与えなくて良いモノ。 それが嬉しかった。 だから、少し欲が出た。 この世界で、性別問わず妊娠が出来る様になったのは、ある製薬のお蔭だった。 2つの錠剤を一定期間服用し、お互いの遺伝子を取り込む事で女性が男性を、男性が男性を妊娠させる事が出来た。遺伝子情報は、分泌液からも得る事が出来たが、男性なら精液を体内に取り込むのが一般的だった。女性が、男性を妊娠させるなら女性の卵子を取り出して人工授精させたあと、男性内へ取り込ませる方法があったが、女性相手の場合は普通に女性が出産する流れは、今だに変らなかったが、卵子を取り出さなくても、唾液や血液などの分泌液でも妊娠の可能性が増えた事で不妊に悩むカップルの数は減った。 その製薬を開発したのは、海外の製薬会社と真里夜の祖父達が経営する製薬会社だった。 その薬が、今真里夜の手に握られていた。 真里夜は駅のトイレで、何度も薬の使用方法、注意書きに目を通していた。 この薬のみの妊娠成功率は、的確に遺伝子を取りこめて10~20%。 それが高く無い事は理解していたが、それでも真里夜は飲まずには居られなかった。 「1日3回、最低でも2週間。欠かさず飲み、妊娠したい相手の遺伝子を取り込む。 副作用で、倦怠感、眩暈、吐き気・・・かぁ。」 空のペットボトルを捨て、真里夜は舘岡のマンションに帰った。 すっかりと顔馴染みとなったコンシェルジュに挨拶されながら、エレベーターで上がって行けば玄関を開ける前に、中から出迎えられる。 それが、舘岡が送り迎え出来ない時のルーティンなのか、今日もラフな恰好をした舘岡に出迎えられる。 「真理夜。お帰り。」 「た、ただいま・・・。」 「迎えに行けなくてゴメンな。」 広い玄関で、出迎えた真里夜の鞄と腰を舘岡に取られ、そのまま唇が重なる。 「ん・・・ぁっつ。」 軽い重なりから、徐々に深くなる口付に、真里夜の舌がちゅっと吸われた。 その刺激に背筋が震え、思わず舘岡の胸に寄り掛かってしまう。 「夕食の準備出来てるけど・・・先に、真里夜の事食べて良い?」 耳元で、そう囁かれば拒否する気持ちなんて、真里夜には無かった。 抱き抱えられて連れて来た寝室で、丁寧にスーツを脱がされる。 「舘岡は今日は、在宅だったのか?」 「あぁ、午後から切り替えたんだ。朝も、一緒に出れなくて悪かったな。」 蟀谷にキスをしながら、ネクタイ、ワイシャツと脱がされ、露わになった真里夜の肌へ舘岡がキスを落してくる。 「気にしてな・・い・・っん。」 胸の小さな飾りに、舘岡が吸いつく。 この数日で、すっかりとその刺激を覚えた身体は、直ぐに熱を持ち始める。 片方を指や掌で刺激され、もう片方は啄まれる。 時折、舌や歯で強く刺激される度に、痺れる様な感覚が身体を走った。 「ああ、染みになる前に脱がしてやらないとな。」 「えっ! あ・・ん!!」 窮屈になったスラックスの前を、舘岡が膝で摺り上げると、その強い刺激に、真里夜が思わず仰け反ってしまう。 「オイオイ、これぐらいで、まだイクなよ?」 ベルトを外す音と、荒くなった二人の呼吸が寝室内に響く。 ズルリと下着と共にスラックスが引き下げられると、すっかりと真里夜の雄は立ち上がり、蜜を零していた。 「先に、一回出しとくか。」 「アッ!!」 自分よりも大きな手が、真里夜の雄を握りこむと、緩やかに扱き上げられ、ヌルヌルとした肉厚の舌が這う。鈴口をチロチロと弄られれば、限界は近かった。思わず、腰に力が入ったのを感じた舘岡の手が、おざなりになっていた胸への刺激を再開する。 「ああぁ! た、舘岡・・で、出るから・・・は、離し・・・て・・。」 「出せよ。ホラッ」 じゅぽじゅぽっと、舘岡の顔に似合わない卑猥な音を立てながら、真里夜の雄を喉奥迄咥えこまれる。 そのまま吸い上げられ、舘岡の喉奥へと果てそうになり慌てて、腰を引くがいつの前にか添えられていた舘岡の腕に阻止され、口の中へと果ててしまった。 快感の抜けた虚ろな目で、自分を咥えこんでいた男を見ると、男の喉が上下するのが見えた。 「ま・・・また、のんだぁ・・・。」 ペロリと、唇から零れた雫を舐めながら、舘岡はニヤリと笑って口の中を見せる。 「ご馳走~。口、ゆすいで来るから、真里夜はお風呂先入っておいで。」 「・・うん。」 寝室から出て行く背中を、ぼーっと眺めてしまう。 この時間は、好きじゃないな・・・と、真里夜は思っていた。 別に・・・自分のだから、気にしないのに・・・。 気怠さの残る身体を起し、真里夜もバスルームへ向かうと、少しして舘岡が入って来た。 「ひゃぁ!」 後ろから、抱きしめられて吃驚すると、笑っている舘岡の振動が伝わる。 「ゴメン。驚かせたお詫びに、洗ってあげるよ。」 「!!」 ソープを纏った手が、緩やかに真里夜の身体を滑る。 「ああ、ココもしっかり洗っておかないとか・・・。」 双丘を割り奥まった所へ、指が這う。擦る様に、孔を掠めるたびに、真里夜の身体にゾワリとした感覚が走る。段々と足に力が入らなくなると、背後から抱えられる様に、真里夜の腹に舘岡の腕が回る。 そのまま、真里夜自身を握りこまれる。竿と玉にソープを纏った手で洗われる。その刺激に腰を引けば、くぷりと孔を掠めていた指先を迎え入れてしまう。 「んん!!!!」 思わず、声と共に吐息が漏れる。無意識に揺れ始めた腰に、ゴリっと固いモノが当る。 「あ・・、舘岡の・・・。」 真里夜が後ろに手をのばすと、思わず握り込んでしまう。 小さく漏らした舘岡の声に、真里夜の中がキュンと収縮する。 グイっと双丘が割り開かれ、真里夜の孔へ固くなった舘岡が添えられ割り開いて行く。 ぐちゅぐちゅっとソープの滑りに助けられ、奥へと入り込んでいく。 真里夜の口から零れる音に艶が乗り始める。 ソープと零れ始めた蜜が混ざり、舘岡の手でぐちゅぐちゅっと音を立てながら泡立つ。 「た、舘岡・・、も・・たって・・・られな・・・ぁぁあ!!!」 腰を掴まれそのまま座らされる。自重で一気に奥まで咥えこんだ弾みで、舘岡の手に真里夜の蜜が吐き出される。更に、水気を増した音と真里夜の艶声がバスルームに響いた。

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