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蒼炎

蒼炎は屋敷に着いた途端にかなり強烈なΩのフェロモンを感じ、αを誘惑するその甘い香りに危惧した。 「おいっ龍臣の色はどうしている!?」 「わ、若の部屋に…」 「龍臣の部屋にはαの組員を近づけるな。取り返しがつかんことになるっ」 「了解です。組長」 蒼炎は長い廊下を突き進み、龍臣の部屋 に近づくにつれ、さらに甘くかおるその匂いにめまいを感じ思わずその場に立ち止まった ここまで香るということは…つまり、龍臣は…あれをまだ噛んでいなかったのか… この3か月…何をやっていたのか… ぬるいな、、龍臣は さっさと番にしてしまえば良いものを… 他人に襲われ奪われてからじゃ後悔しても遅いというのに 龍臣に言いたいことはいろいろあるが…今はいったん置いておこう。 事態が終結してからで済む話だ。 いまはそれよりもこの匂いに釣られて血気盛んな下の奴らがこの部屋にあがってきたらひとたまりもないぞ、、どうする 龍臣と一触即発覚悟で親としての勤めを果たしてやるか…しかし 俺自身が昂ぶりを抑えることが困難かもしれん 「ぁ…ぁん…っ…龍臣さん…助けてぇ」 甘えるような泣き声をあげてもだえるあずさの声が漏れ聞こえ、蒼炎は意を決してふすまを開けた。

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