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ふたばちゃん
泣いているふたばに気がついた紅葉が慌てて走りよってきた。
「ふたばちゃんっ。どうしたの?」
「っう…ふ…っ、だって…だって、今回も赤ちゃん来てくれなかった。あーんっ」
「よしよし。ふたばちゃん痛い注射も辛い検査も頑張ってたもんね。辛いね。お部屋、帰れる?」
「イヤっ。独りにしないでぇっ」
「弱ったなぁ…」
「あずさちゃん、お話聞いてくれた。あずさちゃんといるっ」
「え?オレと?!」
「だめぇ?」
「わ、分かった」
「あずさくんごめんね。ふたばちゃん情緒不安定で…」
「あの今回も…って?」
「個人情報だから僕からは言えないの。ごめんね?申し訳ないけどちょっとふたばちゃんのこと頼まれてくれる?」
「うん、分かった」
とは、言ったもののどうしたら…
あずさはふたばを連れて談話室へ来ると向かいあって座った
「えと…ふたばくん?」
「ふたばちゃんって呼んで」
「あ。そうなんだ。ごめん。分かった。その今回も…って言うのは?」
「入院して1年になるの。旦那さんと番になってから2年してもできなくて…」
「ふたばちゃん…いったい年齢いくつ?」
「21…」
「じゃあ同じ歳だ!」
16.7に見えたのに幼くみえる
「どうしよう…このままじゃ捨てられちゃう…っ」
「え?番になったんでしょ?」
「αからなら強制解消できるんだよ」
「強制解消って…」
「もしされると、それ以降発情期がすごく辛くなるって噂があるの。たとえαと交わってもイけなくなるとか…そんなの辛い…」
「噂…でしょ?」
「火の無いところに煙は立たないよ」
「ふたばちゃん…」
「あずさちゃんはまだ番、いないの?」
「えと…それに近い人はいる…かな?」
「赤ちゃん、欲しい?」
「うーん…いつかは欲しいけど、オレにはまだ早いかな?痛いの怖いから」
「そっか。赤ちゃん早くできるといいね」
「まず、番になんなきゃだけどね?」
「だね」
「番になる時って痛い?」
「え?」
「だって…首を噛まれるんでしょ?痛そう」
「んとね…キュンッてする。痛いのは一瞬。αの唾液が入ってきたら後はもう強い幸せ感しかないよ」
ふたばはうっとりとしてあずさの質問に答えた
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