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ふたばちゃん、おつかれさま
ふたばの部屋へと戻ると、樹医師はそっとふたばをベッドに降ろし左向きにふたばをベッドに寝かせた。
「はい、到着。お疲れさま、ふたば」
「先生、行っちゃ…や!」
「ん?あずさくんがいてくれているけど、私もいたほうがいいですか?」
「うん」
「仕方ないですね。頑張りましたもんね?少しだけ一緒にいますね。紅葉、紅葉はお疲れさまでした。気をつけて寮に戻りなさい」
「はい、先生お先です」
紅葉が部屋から出ていくと、樹医師はふたばの腰をさすり
「あまり痛みがひどいようなら言ってくださいね、お薬出しますから」
「やだぁっ」
「イヤですか?」
「坐薬いれるもん…イヤ」
「すぐ効くんですけどね?我慢しすぎちゃいけません。このまま寝れそうですか?」
「うん…」
あずさは椅子に座り、診察室での光景を思い出していた。
なんだったんだろう?あれ…
確か、エコーに丸い点が現れたら赤ちゃんだって昨日言ってたような気がするけど、ふたばちゃんのエコー、丸いの映ってたような?
あれって赤ちゃんじゃないの?
「先生、質問。ふたばちゃん…赤ちゃんはいたってこと?」
「んー…妊娠自体はしたんです。赤ちゃんは先に胎嚢という袋を作って、その中に赤ちゃんのもとができて心臓が動き出して…って言う流れで育っていくんです。けど、その赤ちゃんのもとが育ってくれなかったんですよ」
「可哀想。診察は何をしていたの?めちゃくちゃ痛そうだった」
「命が宿らなかったのでそれを掻き出してナカを綺麗にしていたんですよ。そのままというわけにはいかないので」
「えぐい…」
「ですね。ですが、入院前はそれすらできていなかったことを思うと進歩なんですよ」
「なんで?」
「ふたばは何も悪くないんです。よくあることではあるんですが4周期連続で今回で5回目なので辛いですよね。
だいたいは赤ちゃん側の染色体異常ですから。とにかく妊娠することは分かったから次の目標は赤ちゃんの心拍確認までいくことですね」
「うん…先生、ありがとう」
「出産まで責任持ってサポートしますから一緒に頑張りましょう。ふたば」
「先生、赤ちゃん授かるってそんなに難しいの?」
「Ωで言えば答えはいいえです。しかし、女性では一定数そういう方がいます。ただ、ふたばはΩなんですよね。これは珍しいことです。ヒート中の妊娠率は100%近いですから」
「ねぇ、あのさ。オレも…そういうことってありえる?」
「いいえ。よっぽど授かります。龍臣さんの赤ちゃん、欲しくなりましたか?」
「え…えと、ちょっとだけ……。赤ちゃん欲しくて頑張るふたばちゃん見てたらオレもなんか…頑張らなきゃって…いろいろ怖いけど」
「あずさくんとふたば、一緒に授かれるといいですね。いいママ友達になれると思います。ね?ふたば。あ…寝てますね」
「大丈夫…なの?」
「問題ありませんよ。注射のせいで眠気を催して眠ってしまっただけですから」
「よかった」
「ところであずさくん、体調は?」
「大丈夫です」
「まだまだヒートは長いですから、また欲求が高まって苦しいようならナースコールしてくださいね」
「ヒート…止めたい」
「ん?それがイヤで入院したのでは?」
「う…そうだけど…」
「今からでもやれますよ。さっき見た機械を挿れてナカを拡げて薬を挿入してあげるだけですから」
「やっ!やだ。明日には龍臣さん帰ってくるからっ。そしたらえっちして落ち着くし!」
「ふふ。気持ちよくしてもらえるといいですね?」
樹医師の言葉に龍臣とのえっちを想像して顔面を真っ赤に染めた
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