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あずさと、ふたば
15時頃、まさかのおぼんに乗せられたケーキと紅茶が運ばれてきた。
「なんでケーキ!?」
昼勤の看護師はあずさの反応に微笑みを浮かべ
「カロリー調整でおやつを提供しているんですよ。おいしいから食べてね」
「ありがとう」
早速あずさは手をつけようとしたが、すぐに手を止め
「ふたばちゃん、まだ食べてないかな?せっかくだから一緒に食べたい…」
あずさは電話端末をおぼんに乗せこぼれないように慎重におぼんを持ちあげ、ふたばの部屋へと移動した
「こぼれたら大惨事…慎重に慎重に。着いた!」
部屋の前で一度立ち止まるとあずさは
「ふたばちゃん入るよー」
「はーい」
声をかけ、中に入った。
「ふたばちゃん一緒に食べよ!」
「あずさちゃんっあ、あれ?電話無いんじゃ…」
「あのね、龍臣さんが用意してくれたんだ。ふたばちゃんと連絡先交換していいって!でも、オレやり方分かんないんだよね。分かる?」
「うん、分かる。嬉しい!よかったね、あずさちゃん」
「うん」
「そういえば…ふたばちゃんの旦那さんって何をしている人?」
「え…あずさちゃん、この医院の患者さんほとんど闇稼業の関連者だよ?」
「じゃあ、ふたばちゃんとこもヤクザ?」
「うん。たぶんあずさちゃんの彼と顔見知りだよ。桜木 組の組長って言えば分かると思う」
「組長っ?」
「うん」
「ふたばちゃんの旦那さん、失礼だけどお年は?」
「33歳」
「ひとまわり違うんだ。でもその若さで組長ってすごい」
「竜胆組より小さな組だからだよ」
「そっかぁ。ひとまわり違うからふたばちゃん抱っこしてもらったりして可愛がられてるんだ」
「え……なんで知ってるの?」
「紅葉さんが…」
「は…恥ずかしい…」
「大丈夫だよ。可愛いから」
「だって…」
「旦那さん大好きなんだね」
「うん。早く旦那さんの子…欲しいな」
あ、やばい…
この話に繋がっちゃった
話題変えなきゃな…
「あ、あ…えと、ケーキ食べよっ」
「ん?あ、そうだね?紅茶冷めちゃう」
2人仲良くケーキを食べていると、部屋の扉が開きあずさの知らない男性がたたずんでいた。
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