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抑制剤OFF
椅子の形態が戻ると、樹医師はあずさに繋げられていた点滴を止めるテープを丁寧に外していった。
「これで針を抜いて終了です。しばらく効果は持続するのですぐのすぐはヒートに戻ることはないので大丈夫ですよ」
「うん…」
「後は血を少しだけくださいね?怖いでしょうけど頑張れますか?」
「分かった」
「いい子です。龍臣さんに頑張ってましたって伝えましょうね?あずさくん」
「褒めてくれる?龍臣さん」
「もちろんです」
「早く帰ってこないかなぁ…独りの2日間がこんなに長いと思わなかった」
「龍臣さんが大好きなんですね?」
「大好き。なんでだろう?3ヶ月と少し前は赤の他人だったのに、今は龍臣さんがいないとこんなに落ち着かない。不安なんだ」
「龍臣さんもおそらく一緒ではないかと…番になる相手との絆は強く、2人でひとつという感覚が強くそういうふうに感じるものです」
「蒼炎さんと青葉さんは?」
「彼らはイレギュラーです。まだまだ、Ωのことは研究段階なのでいろいろ分からないことだらけで観察のしがいがあります」
「龍臣さんのこと考えるとちんちんが膨らむのも普通?」
「それはΩじゃなくても普通に一般男性に起こる現象ですね。勃起といいます」
「乳首がツンてするのも?」
「性的欲求が高まったこれも一般的な体の反応で合っていますよ」
「そうなんだ」
「はい。なんらおかしなことはありません」
「すっごく苦しいし…熱くなるけど…異常じゃないの?」
「正常です」
「なんかオレって…自分の体のことなのに全然自分の体のことを理解していなかったなぁ」
「はじめはそんなもんです。だってまだえっちを知って半年も経っていないんですよね?」
「うん」
「焦らなくていいです。龍臣さんが教えてくれますよ。電話を親にお願いしてあずさくんに用意させるくらいなんですから」
「そう…だよね。電話って高いよね。ちゃんとお礼言わなきゃ」
「孫を作って見せるのもお礼になりますよ。自分の子も可愛いですけど、孫はまた格別らしいですから」
「自分の子か…本当に授かるんだよね?授かる体って言われてもいまいち実感ないし、まだちょっと怖い。
けど…興味が出てきた気がする。誠哉くんがお兄ちゃんになるのも見てみたいな」
「はい。それじゃ、血液を採るので手を出してくださいね?」
「うん」
「男の子がいいですか?女の子がいいですか?」
「どっちでも。健康な子なら性別なんて気にしないよ。でも、欲を言えばΩじゃないといいな。Ωの人生は結構ハードだから…い~ったた」
「親心ですねぇ。はい。採れました。上手にできましたね?」
「終わったの?」
「おしまいです。お部屋に帰りましょう。はい、おいで?」
「え」
目の前に広げられる樹医師の両手を目を点にさせてあずさは見
「何?」
「あれ?抱っこしませんか?」
「恥ずかしいよ」
「おかしいですね?今朝、うらやましそうに見ていると感じたのですが…」
「う…えと…じゃあお願いします」
「はい。よいしょと」
「わ…変な感じ」
「じゃ、行きましょう」
「はい」
あずさは照れながら樹医師に抱かれ、病棟へと樹医師に連れていってもらった
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