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幸せの時間
屋敷に着くとすぐ手下一同が頭を下げ龍臣とあずさの帰宅を喜び
「おかえりなさい若っ」
「おつかれです。あずささん」
口々に2人に労いの言葉をかけた。
最初の日はビビったこの挨拶の嵐も今となってはないとさみしいもので、竜胆 邸に帰ってきたって気がする
なんだか幸せだな。
屋敷へと入るとドタタターっと誠哉がはいはいで疾走してきて、あずさは膝をついて誠哉の到着を待った
「誠哉くんっ」
「まーっ」
「早ーい。到着!おかえり誠哉くん」
「あいっ」
誠哉は抱っこをせがむようにあずさに手を伸ばし
「まー!」
あずさに抱きあげてもらうのをニコニコして待った
「可愛いっ」
あずさは誠哉を抱きあげ、龍臣とともに蒼炎の部屋へと向かった
部屋のふすまをあけるとベッドに腰かける蒼炎と蒼炎の太ももに頭を置き、蒼炎の顔を触る青葉がいてあずさは声をあげた
「あ!青葉さんっ。よかった。いてくれて。次は婚儀のときなんていうからドキドキしちゃいました。あの…改めて…」
「かたーい。ママ、よろしくで大丈夫だから」
「え…そんな馴れ馴れしい」
「青葉の言う通りだ。長い付き合いになるんだ。かしこまることはない」
「蒼炎さん、ありがとうございました」
「無事に龍臣と再会できてよかったな。これを…」
蒼炎は封筒を龍臣とあずさに差し出し
「なんだよ?親父」
「中を見れば分かる」
「あ?旅館の宿泊券?」
「そうだ。あずさ、約束通り旅行に行かせてやるから今から楽しんでこい」
「今から!?本当にいいの?」
「なんだよ?約束って」
「病院頑張ったら龍臣さんと2人で旅行に行っていいって」
「2人で?」
「出かけたことないだろう?2人では」
「でも…誠哉は、、」
「家族旅行はまた後日行けばいい」
「まだ僕が屋敷にいるから安心して行けばいいよ」
「母さん…親父…ありがとな。楽しんでくる」
「気をつけて行ってこい」
「行ってらっしゃい」
2人は帰宅早々ではあるものの、誠哉を両親にたくしすぐに出発し温泉旅館へと向かった
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