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診察
「龍臣、先に言っておくが診察で怒り散らすなよ?」
「あ?どういう意味だよ、それ」
「その…診察で下からエコーを挿れて検査をする。それがはたからみればいかがわしいことをしているように見えるかもしれん。伝えておかないとお前は樹を殴り飛ばしかねん」
「あー…そ。分かった。そういうもんならしゃあねーわな。ちなみにそれって痛いのか?あずさ」
「痛い…痛かったよ。うー、怖い……。龍臣さん、手を握っててくれる?」
「分かった」
龍臣はあずさの手を握り励まし、針葉医院へとたどり着くと車から降り立った。
玄関前では紅葉が出迎え
「予定通り来たね?久しぶりあずささん。龍臣くん」
「お願いするよ、紅葉」
「はい、蒼炎さん。樹先生は診察室でお支度してるからまずはお小水をカップに取って検査窓に置いておいてくださいね」
「はい」
「緊張してるね?おしっこの量は下から2番目の線までで大丈夫だからね。おしっこが採れたら下着はつけずに浴衣タイプの検査着に着替えてね」
「分かった」
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おしっこを採取し、着替えをして待合室で待っていると診察室へ呼ばれた
「おめでとうございます。陽性反応が出ていますよ。詳しく診ていきましょう。紅葉、誘導を」
「はい、おめでとうあずささん。こちらに」
「う、うん」
「大丈夫ですよ、あずさくん。リラックスしていてください」
「はい」
あずさはドキドキしながら診察用の椅子へと座った。
「安全ベルトつけますね」
「うん。た、龍臣さん…」
「おう」
龍臣はあずさの側に寄りあずさの手を繋ぎ、震えるあずさの手に龍臣はあずさの顔をのぞきこみ
「反対側の手、親父にも繋いでもらうか?」
「うん」
「親父」
「分かった。あずさ、青葉が昔言っていたが力を入れると痛いそうだ。力を抜いて気楽にな」
「うん」
「じゃあ、はじめていきます」
樹医師はエコーを手に取りあずさのナカへと慎重に挿れていった
「…んっっ…う…痛いぃ」
「ごめんね、あずさくん。上手にできてるよ。ほら、横のテレビ画面を見てください」
「横…?あ、、」
言われて見ると画面には小さな点が点滅しているように見え
「いましたねぇ。赤ちゃんですよ、おめでとう。約6週といったところでしょうか」
「これ…赤ちゃん?」
「そうです。赤ちゃんの心臓ですよ。点滅して見えるでしょう?心臓が動いている証拠です」
「…っぁ…龍臣さん」
「でかした。あずさ」
「よかったな?あずさ」
「いるんだ…ここに。龍臣さんの赤ちゃん…。あ、あれ…」
あずさは感動して涙を流した
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