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あずさ 体調不良
龍臣との旅行の後は慌ただしく月日が経っていった。
お披露目式はまだではあるものの、婚儀の日も無事に通り過ぎあずさは萌葱から竜胆あずさに名前が変わった。
ーーー
旅行から約6週が過ぎたある日のこと、あずさは体の重だるさに布団から起き上がれないでいた。
「まーま?」
「誠哉くん。大丈夫だよ。ただちょっとダルくて…」
「どうした?夕べはそんなに激しく抱いたつもりなかったけど疲れたか?」
「龍臣さん!誠哉くんの前だよっ」
「悪い悪い。ご機嫌ななめだな?熱は?」
龍臣があずさの額を触るとやや熱く感じ、自分の額と差を比べ
「うん。ちょい熱いな。風邪か?無理すんなよ」
「うん、ありがとう」
「まー、まんまっ」
「誠哉くんお腹空いた?食堂にそろそろ行こっか?」
「あーい」
3人で仲良く食堂である広間に来ると、あずさは匂いに気持ちが悪くなりうずくまった
「う~…」
「あずさ?どうした」
「おぇ…。なんか気持ちわるい…」
「大丈夫かよ?」
「分かんない…風邪薬ほしい、、」
「分かった。持ってきてやる」
2人のやりとりに蒼炎は慌てて立ち上がり
「あーっ、待てっはやまるな!!」
「え?なんだよ、親父」
「柘榴 っ!車を出せ。あずさを針葉医院へ連れて行く」
「は?や、大袈裟だな…親父。たかが風邪で」
「違う!あずさの腹ン中に赤ん坊ができたに違いない」
「え…赤ん坊って…マジかよ、親父」
「本当に…?旅行の時の子?1回で授かるものなの?」
「ヒート中のΩの妊娠率は非常に高い。武下っ、誠哉を頼むぞ」
「分かりました。よし、坊。久々に武下が食事のお手伝いをしますね」
「うー…」
「そう不満な顔しなさんなって、坊。坊に弟か妹ができたかもしんないだと」
「おーっ」
「そ。弟かな?妹かな?楽しみだな、坊。行ってらっしゃいは?」
「ばー」
誠哉は両手を振りあずさを送り出す態度を見せた
「ありがとう。誠哉くん。行ってくるね」
あずさは龍臣と蒼炎に付き添われ、柘榴の運転で針葉医院へと向かった
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