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2ndー祝言
金屏風の前に並んで座る2人は緊張した面持ちで、2人揃って一同に頭を下げた。
張り詰めた空気を破るかのように口を開いたのはりんどうの紋様の付いた黒い袴を身につけ、凛々しく髪を整えた竜胆龍臣 。ここ、竜胆組の若頭だ。
「本日は未熟な若い我々の祝言 の為に貴重な時間を割いていただき御礼申し上げます。心ばかりではありますが、婚礼を祝い料理と酒をご用意致しましたので皆様にふるまわせていただきます」
「よっ若!」
「かっこいいっす」
手下たちにはやされながらも堂々とした口上 をのべる龍臣にうっとりとした熱い視線を送り、その凛とした立ち振る舞いにみとれ緊張で震える手を義母である青葉 にしっかり繋がれると、今日の主役のうちのひとり萌葱 あずさは再び頭を下げた。
いよいよ、本当に龍臣さんと番うんだ。
うなじを噛まれても、お腹に子を宿してもどこか夢うつつで実感がなかったけどこうしてお披露目式を行うと感じる。
竜胆家の一員になったんだ、オレ…。
龍臣の袴と色違いの白い袴の布地をきゅっと握りしめ、広間に集まる面々をあずさは見据えた。
たくさんいる客人のその片隅で竜胆組お抱えの医院、針葉 医院の針葉樹 医師と、看護師を代表して列席した紅葉 が優しい眼差しで2人を祝福していた。
また、そのすぐ隣には針葉医院でできたあずさの友人、桜木 ふたばとそのパートナー桜木草 が暖かな視線を2人に送り、ふたばの口の形が”おめでとう”の形に動いた。
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