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第25話 興味②
ーー昼休み。
「今日も重箱なんだ。宇月と春木くんも良かったら食べてくれ。」
「ええ!?すごいですね!」
「すげー…」
「お母さん、作ってくれたのか?」
「うん、お菓子のお礼だって。あれ、やっぱり有名なとこのだったんだな。ありがとう。」
「いいのに。」
「あの…お菓子って?」
宇月は控えめに質問した。
「この前、二三月が家に来た時に、お菓子を持ってきてくれたんだ。それに母親が喜んで、お礼にって弁当作ってくれた。」
「え…家って先輩の家ですよね?二三月先輩行ったんですか?」
「ああ、招待したんだ。」
「僕も行ったことないのに…羨ましいです。」
宇月は少し落ち込んだ。
僕の方が、先輩ともっと前から知り合ってたのに、僕の方が先輩のこと…。
「宇月も来てくれ。何もないけど。」
「え、いいんですか!?」
「うん。春木くんも一緒にどうぞ。」
「あ、あざす。」
「はい!?なんで春木まで!」
「人数多い方が楽しいだろ?二三月も予定が合えば、みんなと一緒にまた来てくれ。」
「ああ、ありがとう。」
「そんな…そりゃ人数多ければ楽しいかもですけど…」
やっぱり宇月は納得いかなかった。
春木はそんな宇月の様子に構わず、晃に質問した。
「先輩んち、どこすか?」
「最寄りは老林駅だ。」
「俺、近いかも。あの路面電車通ってるとこっすよね?」
「そうだ。よく知ってるな。地元なのか?」
「はあ、普段乗らないっすけど、知ってます。」
春木と先輩が地元トークしている…
なんだか悔しい!
宇月は春木を睨んだ。
「いつ行って良いんすか?」
「そうだな、来週の日曜はどうだ?」
「了解っす。」
「お、おい!なに勝手に話進めてるんだよ!お前だけ行かせないぞ!」
宇月は焦るように春木に向かって言った。
「一緒に来いって、先輩言ってたじゃん。」
「先輩、いいんですか?来週の日曜日…」
「いいよ。宇月は少し遠いかもしれないが…」
「いえ!全然遠くありません、ありがとうございます!」
「うん、本当に何もないけどな。二三月は?」
「俺は、用があるから。」
「そうか、じゃあまた今度だな。」
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