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第7話
ホテルについてキスをされても、ベッドに倒されそのまま服を脱がされて舌が身体を這っていても、さっきのおにいさんが気になっていた
"なんで急に何も言わずに...."
そう思っていたら
「いたっ、、、」
小さな痛みが走り思わず顔が歪む
見れば目の前の男性が俺の指を噛んでいた
「最中に考え事。随分余裕なんだね。」
そう言うと変わらず俺の指を噛みながら自分のモノを入れると激しく腰を動かす
「⋯⋯んっ⋯⋯はぁ⋯⋯⋯い⋯たい⋯ゆび⋯⋯いっ⋯⋯」
「⋯君が悪いんだろ⋯はぁ⋯⋯金払ってるんだからちゃんとしろ。」
最中に上の空だったのが余程ムカついたのかその後も勢いが止まることがなかった
「⋯⋯⋯はぁ⋯もぅ⋯⋯⋯むり⋯⋯⋯そこ⋯⋯⋯だ⋯め⋯⋯⋯」
「⋯⋯やぁ⋯⋯ィッ⋯⋯いっ⋯て⋯るからぁ⋯⋯⋯⋯」
どんだけもう無理だと言ってもやめない男性に違和感を感じる
"なんで..?....いつもこうじゃないのに....."
ほとんどの人は俺の事をいつでもヤれる便利な相手程度にしか思っていない
発情期の時であろうがなかろうが関係なしに自分の都合のみを押しつけてくる人しかいなかった
満足したらさっさと帰る、お金を投げつける人なんてざらだった。
でもこの人は....かずさんだけはそうではなかった....
"もう会えない初恋の子に似てる"
初めて会った時にそう言われ、俺を初恋の子に重ねて関係は始まった。だからかいつも優しく抱いてくれた.....発情期の時にはどうやれば俺が楽になるか気にかけながら......行為が終われば身体を綺麗にして俺が落ち着くまで一緒に話をしてくれたり.....なのに.....
そう言えば....今日は会った時からなんかおかしかった....いつもあんな強引な事しないのに.....
いつもと違う様子に疑問を抱く、、、
それが伝わったのか "ハッ" となりかずさんの動きがとまる
「ごめん、、、。乱暴にしてしまった。」
そう謝り頭を撫で俺から離れる、、、
そのまま浴室の方へいけばタオルを持って戻ってきた。
ほんのり温かいタオルで身体を拭いてくれる
いつもと違う様子が気になり声をかける
「大丈夫.....?」
「それはこっちの言葉 だろう.....乱暴にしてしまったんだから.....」
「確かに、さっきのかずさんはいつもと違ってビックリしたけど.....いつも優しいから....平気.....気にしてない....」
「ほんとごめん。ちょっとあってね、、当たってしまった、、、。」
"仕事で何かあったんだろうか....."
そう思って
「じゃぁ......今日はどうする?まだ時間あるけど.....」
あまり深くは聞かずに問いかける
「あの後にこんな事お願いするのもあれだけど、、、君を抱きしめながら少し横になってもいいかな、、、?」
そう申し訳なさそうに言う
「別にいい。気にしてないって言った。」
「ありがとう。」
そう言って先に横になった俺をかずさんが後ろから抱きしめる
少しかずさんが震えてる気がしたけど気付かないふりをした、、、、
時間になり一緒に外に出る
「今日はほんとにごめん。」
「もういいって、、。」
かずさんは最後にまた謝り少し悲しげな笑顔を向け駅に向かって歩いていった
その日を境にかずさんからの連絡が途絶えた、、、
『ちゃんとご飯食べてる?』
『何かあったらすぐに言ってね!』
誘いの連絡以外にもいつも俺を気にかける内容のメッセージを送ってくれていたのに、、、
俺から連絡をしようかとも思ったが
"仕事が忙しいのかもしれない。そもそも俺から連絡がきても迷惑じゃないか?"
そう思ったらなかなか出来ずにいた、、、、
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