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第20話
目が覚めると見慣れない真っ白な天井
さらに白いベッドに白い布団どうやら病院にいるみたいだ
起き上がろうと動けば手に柔らかい感触がする
見れば頭をベッドに乗せるようにして寝ている人が見えた
『えっ、、』思わず声がもれる
『ここにいるはずがない』そう思って確かめる為に顔にかかる髪を指でかるく触れれば優人さんがそこにいた
『どうして、、、最後に聞いたあの声は幻聴じゃなかったのか、、、それじゃぁ優人さんがここまで、、、?』
そう思った時にふと優人さんの髪を触る自分の腕が目に入った
拘束された時に出来た跡、タバコを押し付けられたであろういくつもの跡があった
思わずバッと布団の中に腕を隠す
『見られた?この腕を....?』
『いや、優人さんだけじゃない、この病院の人にも見られてる....?"
変わっている自分の服装に慌てる。お風呂に入った時はただ体に染み付いた気持ち悪さをとろうと必死だったからどんな風になってるかなんて確認出来なかった。急いで自分の体を見れば殴られた時に出来たであろう青あざに、腕と同じようにタバコを押し付けられた跡、、、
この体を見ておかしいと思う人がほとんどだろう。さらに病院だ。余計にそう思われる。そうしたらあの母親に連絡がいくのだろうか。
どうしよう。その時母親がどんな反応をするのか分からない。またあんな事をされるのかもしれない恐怖でガタガタと震える体。
次第に呼吸が荒くなっていく
『い…いき……が……うま…く…でき…ない……。』
"どうしよう" そう焦れば焦るほどどうやって息を吸って吐いていたのか分からなくなってくる
気付けばぼろぼろ流れてくる涙に手先が冷たくなっていく感触
『こ…わい……ゆ…ぅ……と……さん』
そう思って手を伸ばすが震える手は届かない
するとモゾモゾと優人さんが動き起き上がる
顔を上げ俺の顔を見た瞬間慌てて駆け寄る
「なつ!!大丈夫か??」
そう焦って声をかけた瞬間扉がひらき
「優人くん、なつくんの様子はどうだい?」
そう言ってかずさんが入ってきた
だが、俺たち2人の様子がおかしい事に気付きすぐに掛けよれば
「過呼吸を起こしたんだね。」
そう言って持っていたビニール袋から中身を取り出せば俺の口元にあてる。
「なつ、大丈夫。ゆっくり、、、吸いて、はいて、、、」
そう繰り返し言いながら俺の背中を優しくなでる。
その間に優人さんが呼んでくれたのか看護師さんがやってきた。
すぐ後にも医者がきて体の状態をみてくれる。 『もう少し安静にして様子をみましょう。何かあればまた呼んでください。』そう言って部屋を出ていった。
色々聞きたい事があって口を開こうとしたらかずさんにとめられる
「まだ疲れただろう。色々思ってる事あるだろうけど今日はゆっくり休んだ方がいい。」
そう言ってゆっくり俺を寝かせれば頭を撫でられる。
優人さんも近付いてきて手を握り『かずさんの言うとおり今は休もう?』そう言ってきた。
そんな2人の心地良い温かさに次第に目が閉じていく、、、『おやすみ。』そう囁かれ俺は再び眠りについた、、、
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