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第21話
どれだけ寝ていたのだろう、、、
目が覚めると先程と同じように優人さんがベッドに頭を乗せる形で眠っていた。僕の手を握ったまま、、、
ふと横を見ればソファのほうではかずさんが寝ていた
少し体を起こし時計をみれば19時をさしていた
いつから側にいてくれたんだろう.....
こんな自分の為に....
すると涙が溢れてくる....
『ここ最近心が弱くなったな、、、泣いてばかりだ。身体を売るようになってから1年。何も感じなくなったと思ってたのに、、、』
そんな事を思いながら泣いていれば、優人さんが起きた。
泣いている俺を見て焦った顔で『どこか痛むのか?大丈夫か?』そう心配そうに聞く
その声でかずさんも起き、こちらに近付いてきて『大丈夫か?』と声をかけてきてナースコールを押し『目が覚めました。』と伝える
看護師さんがくるまで俺は泣きながらただ首を横にふることしか出来なかった
すぐにきた看護師さんは体温を測ったり等をすれば『何かあれば呼んでください』そう言って部屋を出ていった
するとかずさんと優人さんはベッドの横に椅子を置き座り、かずさんが話し始めた
「まずは、、、なつくん体調は平気?話したり出来そう?」
「うん。」
「そっか、よかった。なつくんも気になってると思うけど、今日の朝公園で倒れたなつくんを病院に運んだのは僕と優人くんだ。ちょうど公園に行った優人くんがなつくんが倒れる瞬間を見たらしく慌てて駆け寄った。そこに出張を終えた僕がタイミングよくなつくんに電話をかけたんだ。その電話に優人くんが出て助けを求めてきたから急いで向かって僕の車で病院に連れてきた。」
そう説明してくれた
「そうだったんだ、、、。2人ともありがとう。」
するとかずさんが少し言いにくそうに口をつぐむが覚悟を決めた顔をすれば
「君の体の傷跡等もみた。」
そう告げた。
『やっぱり見られたんだ。そりゃそうだよね、、、なんて思ったかな、こんな体、醜いよな、、、』そんな事を思えば
「あの傷が出来た原因聞いてもいいかな?」
そう問いかけられる。
『どうしよう。言ってもいいのだろうか。でもこわい。知られたくなんかない、、、嫌われてしまう。』
「なつくんがどうしても言いたくないなら無理に聞こうとは思わない。でも少しでも話したいと思うなら話して欲しい。あんな跡とかを見たらやっぱり心配なんだ。」
そう優しく言われる
「あの日俺にあんな事を言ったのも関係しているのか、、、?なにか理由 があるなら話して欲しい。」
「僕達2人はなつくんの味方だ。君に何かあっても嫌いになる事なんてないよ。むしろ助けになりたいんだ。」
そう言って真っ直ぐに俺を見つめる2人に止まったと思っていた涙がまた溢れ俺は俯いた
俺の心はもう限界だと叫んでいた。それでも見ないふりをして過ごしていた。そうしないと生きていられなかったから。
でももう我慢しなくていいのだろうか。
俯いた顔を上げれば2人は変わらず僕を見つめただ静かに待っていた。その姿に全てを話す事を決めた、、、、
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