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第22話

意を決して口を開くが声が出ない...... 2人が待ってる。早く話さなきゃ。でもこわい。ほんとに話してもいいのか。あぁ言ってたけど聞いた後にやっぱり嫌われるんじゃないか。不安が次々と溢れてきてとまらない するとかずさんと優人さんが俺の手を握り『大丈夫、ゆっくり、少しづつでいいから。』そう言ってくれた。 そして僕はすべてを話した。 父親はおらず、どこの誰かも分からない事 オメガだと分かった瞬間母親の扱いにひどさが増し、学校に行かせて貰えなかった事 やっと見つけたコンビニバイトも突然のヒートで出勤する事が出来なくてクビになった事 そして、その時起こったヒートの時に何があったのかを、それをきっかけに母親から身体を売ることを強要された事も、、、 ぼろぼろと涙を流しながら嗚咽まじりに途絶え途絶えで話す僕を2人はただ静かに聞いていた。 そしてしばらく黙った後、あの日優人さんにあんな事を言った理由( わ け)を話した。 あの後家に帰れば母親に殴られ知らない場所へ連れていかれた事も そこで何があったのかも、、、 された事を話す時は頭の中で何度もあの光景が思い出されおかしくなりそうだった それでも、、その度に、、2人が強く僕の手を握ってくれた。 『大丈夫。もう大丈夫だから。』そう言われてるみたいであの時とは違う涙が溢れ安心する すべてを話し終えた時、かずさんが握っていた手を離し僕の頭を撫でると『話してくれてありがとう。落ち着けるように何か温かいものでも買ってくるよ。』そう言って部屋を出ていった。 優人さんの方をみれば、下を向いて体が震えていた。 どうしたのかと思って近づく為に握られた手を離そうとしたらそのまま引き寄せられ思いっきり抱きしめられた。 「ごめん……。あの時なつの様子がおかしいとは思ったんだ……元気がなくて何か思い詰めてる雰囲気を感じてたのに………言われた事にショックをうけて、自分の気持ち優先であんな事を言って去ってしまった。あの時俺がちゃんと……ちゃんと聞いていたら………あの後なつがひどい目にあわずにすんだのに………。」 そう泣きながら言った。 「謝らないで。優人さんは知らなかったんだから、、、。」 なんて少し困った声で言えば優人さんは少し離れて僕の顔を見つめ 「もう二度と君にこんなおもいはさせない。」 そう言って先程よりも強く抱き締めた 「優人さん、、、苦しいよ、、、」 そう言いながらも僕は優人さんの背中に手をまわし強く強く抱きしめ返した、、、

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