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第10話 劣等感
やり方は分かってる。
さっき『僕がされたことをやればいい』はず。
下着を下ろして、いや……邪魔だったから脱がせた。
そして林檎のおちんちんを直接触った。
すると林檎は、はぁ……、と大きく溜め息をついていた
「嬉しい、俺のペニスを蜜柑が触ってる」
表情を隠すことなく、林檎は嬉しそうにそう言った。
それで僕は理解した、林檎は『初めてじゃない』。
その経験は、『攻め側』。
だってさっき『処女をあげる』と言ったから。
僕は林檎より早くも劣っていたような気がして、気分が悪くなった。
それなら『滅茶苦茶にしてあげる』。
幻滅されるように、今までみたいに馴れ馴れしく近づいて来られないようにしてあげる。
部長にされたように、僕はおちんちんを上下にしごいた。
「あっ、きもちィイ……」
林檎は眉を寄せて、言葉を発した。
それだけで僕は少しだけ優越感を取り戻し始めてきたけど、林檎の右手がジーンズ越しに僕のおちんちんに触れてきた。
「っ……!!」
少し前まで部長としてきたばかりだから、林檎の手に僕は反応してしまった。
林檎の前だけでは、上の立場にいたい。
それだけの意地で……堪えて、林檎のおちんちんに触れていた。
「ンぁ……っはぁ、きもちイイょ、みかん……!!」
僕の下で喘ぐ林檎は普段よりだいぶ大人びて見えた。
上下にしごいていても焦らしているだけ……林檎とのエッチを早く済ませてしまいたくて、僕は括れを擦った。
「ぁあ、みかんっ……そこぉ。キちゃぅ……ン」
『みかん』と何度も言われる度に、何か嫌な気分になった。
僕は『未完』?
僕は『林檎に言われる名前が嫌い』なんだ。
だから、僕は『ひとつにならないといけない』。
林檎を地に落として腐らせたい気分になった。
「みっみかん、みて……。ぉれだけ……みてょ?」
見たくないけど、林檎を見てしまう僕は『未完からの脱出』、ただそれだけと何故か自分に訴えかけていた。
僕は林檎のおちんちんの裏側や先端……自分がされて気持ちが良かったところを必死に刺激した。
林檎の手もジーンズ越しに、僕のおちんちんを刺激してきていて。
声を出さないように必死だった。
「っみかん、ゃめて。イきそぅだから……いれてよ」
やっと林檎が『根を上げた』。
林檎が僕のおちんちんから手を離して、自ら足を上げてけつまんを晒してきた。
やっと僕は林檎を『支配出来る』。
僕はやっと『未完じゃなくなる』。
「ぉれの『処女』をみかンに、……ぁげるね」
林檎は僕に『処女』を捧げて、僕は林檎に『童貞』を捧げる。
林檎は『童貞』じゃないし、僕は『処女』じゃない。
僕は1日に両方を喪失する。
そんな僕はなんて『滑稽』なんだろうか……。
そう思った。
僕は林檎に劣ってるんじゃないかと余計なことを考えたくなくて、急いでジーンズと下着をずらして、林檎のけつまんこにおちんちんを挿入した。
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