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第12話 沢山捧げた日

僕がイけなかったのは自分のせいじゃない。 そう己に言い聞かせながら、僕は林檎のけつまんこからおちんちんを抜いた。 「ン……ぉれの、あなるじゃぃけなぃのかな……、っはぁ…」 林檎は乱れた息を整えながら、口にした。 僕はこれ以上やる気がおきなくて、部屋のティッシュボックスに手を伸ばした。 その僕の手を、林檎が握った。 「蜜柑、俺のアナルでイけなかったからみたいだから。俺に責任取らせてよ」 「やめろ……。僕はお前に『されたくない』」 「蜜柑の『処女』は奪わないよ。蜜柑が俺をちゃんと見てくれたときに、頂戴?」 「……」 『頂戴』も何も、僕の『処女』はさっき部長に捧げたから、林檎にはあげられない。 それを林檎が知ったらどうなるだろうか、少しだけ期待してしまった。 林檎は僕に幻滅する? そう思うと背中にゾクゾクと妙な快感が走った。 「だから、僕が口で蜜柑のペニスを愛してあげるね」 と、僕の隙をついて林檎は裸のまま僕のモノを躊躇いもなく口に含んだ。 「ぁあっ!!」 不意を突かれて僕は声を上げてしまった。 さっき部長にされたエッチの余韻が、僕の思っていたよりも残っていたみたいだった 僕はこれ以上醜態を晒せないから、漏れそうな喘ぎ声を必死に圧し殺した。 「……っつ」 「蜜柑、声ガマンしてる?……出して」 そんなこと出来る筈がない、僕は林檎より劣りたくない。 林檎より選ばれていたい。 それは僕たちの名前が『果実』だから。 甘くなり、より『選ばれたい』から。 「蜜柑の声……聞きたい。乱れた声。可愛いだろうな」 「っだれが……りンごに、きかせるかぁっ」 声が裏返りながらも、必死に高い声をあげないように努力した。 林檎を見ると、部長と同じように僕のモノをとても美味しいものを舐めているように、クチュクチュ音を立ててしゃぶっていた。 林檎が僕を見上げてきたので目線が合った。 「蜜柑可愛い。……今自分が…どんな顔してっ耐えてるか、知ってるのは俺だよ。幸せ」 部長が知ってる、林檎だけじゃない。 「ぅンン…ぁぁっ!!」 僕は喘ぎながら、イってしまった。 林檎はわざと僕の精液を顔で受け止めた。 「っはぁ……っはぁ、っはぁ……はぁっ」 「『顏射』なんて。……幸せすぎ」 乱れる僕の吐息の中で林檎は嬉しそうに笑って言った。 その僕の精液を指で掬ってペロリと舐めた。 「蜜柑の味、今日やっと分かった」 そう言うと林檎は僕と同じ顔で笑い、唇を重ねてきた。 『キス』も初めてな僕は、どうしていいのか分からなくなっていた。 だから僕は林檎の頬を思い切り平手打ちをした。 「……ぃたい、蜜柑?」 「出ていけ……」 「え?」 「僕の部屋から出ていけ!!」 僕は力任せに裸の林檎を僕の部屋から追い出した。 僕の狼狽に面食らっていた林檎は、あまり抵抗もなく押し出されてくれた。 僕は林檎を部屋から出すと、勢いよくドアを閉め鍵を掛けた。 「蜜柑?蜜柑……ごめんっ」 「五月蝿いから、黙って!!」 「もう呼ばれるまでは蜜柑の部屋には入らないから、起こらないで?」 「僕の部屋に入ったら、二度と林檎と口を聞かない」 「ごめんっ……ごめんなさい!!許して蜜柑……」 僕は部屋に脱ぎ散らかしたままだった林檎の服を拾い上げて、鍵とドアを開けた。 そこには、縋るようにしゃがみこんだ林檎の姿があった。 「……みかん、大好きなんだよ。一緒にいたい」 「放課後は一緒は出来ない」 「どうしてっ?!」 「読書倶楽部に入った」 そう、僕は 部長と委員長に『選ばれた』から。 先輩二人に選ばれた日、僕は『初体験』を沢山捧げた日になった。

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