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君と僕の本当のところ

#君・僕・死で文を作ると好みがわかる というXのハッシュタグ遊び 「っ…、走れ!」 爆音の中で聞いた君の言葉は 今までで一番熱くて、一番響いた いつもみたいに馬鹿にしなかったから ずっと、嫌われてるって、思ってた けど、違ったんだって気がついた 君はいつもふざけていたけれど 僕を無視しなかった 『なよなよすんな』『男のくせに』 悪態をつきながらも、君はいつも僕の隣にいた なんでだよって思っていたけれど 君のおかげで、僕は一人じゃなかったんだ 「うぅ…」 太ももを押さえて君が呻く 足をやられたら、助かる確率は0に近い 数メートル先で砂煙が上がった 膝が、震える…… 「……つかまって!」 背を低くして、君に手を伸ばす 「む、り……。走れ、ない……」 抱えようとした僕の手を君が振りほどく 君を連れて行けば 助かる確率は格段に下がる 二人とも死ぬかもしれない いや、死ぬ確率の方が高いに決まってる それでも…… 「置いていけないんだよ!」 君の腕をつかんで無理矢理引き上げて肩にかける 死ぬかもしれない けど、僕だって男だ 大事なものは守りたい

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