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はじめての浄化の儀式 3

震える泰明をダミアンはそっと抱きしめ 「震えているな、泰明。余が恐ろしいか?」 「…」 なんて言ったら…。ダミアンの言う通りだ。怖い…。 その気持ちを分かってくれているのか、ダミアンは無理矢理オレを犯そうとはしてこない。 ダミアンからしてみれば国を救い、自らの体調を治してくれる力を持つ神子が目の前にいるのに、すぐに襲わないのはたぶんオレを思ってのことだ。 そんな優しいダミアンを傷つけたくない。 せっかく召喚されたんだ。頑張らなきゃ。 泰明は意を決して口を開いた。 「ダミアン、その…オレ頑張るからさ、優しくしてくれる?オレ…経験ないんだ。神子の役目…しっかり果たすつもりでいるから。オレが怖がっても震えてもやめないで」 「泰明、そなたに約束する。できうるかぎり優しくしよう」 「ありがとう、ダミアン。真っ黒な障気を2人ではらおう」 「泰明…。健気なやつよ。先の召喚後もそうであった。厄介者扱いされて自暴自棄に陥ってもおかしくのない状況であったのにそなたは逆境に負けず耐えた」 「ダミアン…がいたから、、かな?優しくしてくれるダミアンがあの時いなかったらとっくに潰れてたと思う」 「そういう心の持ち主だからこそ神子に選ばれたのであろうな」 「でも、性別間違えてる気がする。何も王様と同性のやつを選ばなくてもいいのに…女なら…その、抱くのも簡単だろ?だってそのための孔があるんだから」 「それはよくは分からぬ。歴史を遡れば女人であったこともある。しかし、圧倒的に男神子が多い」 「そうなのか?」 「神子と王は固いキズナで結ばれ、他者から見れば他の者よりも寵愛されているようにうつる。女人であるとこれはいざこざを産む」 「え?」 「泰明の国ではどうであるか知らぬがこちらの国では1人の夫に対して複数人の妻をもうける。そこに女の神子が現れたら?その神子が子を宿したら?妻たちは気が気じゃないであろうな」 想像したら確かにそれは流血沙汰になりそうだ。

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