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第32話 告白2★

 キスをしながら、俺はローレンスにゆっくりと寝台に押し倒された。こんな日中から事に及ぶのかと思いながらも、俺も早くローレンスと繋がりたいという思いがあって、拒んだりはしなかった。  衣服を脱がされて、明るい室内で露になる俺の貧相な体。一方で、裸体になったローレンスの体は鍛え上げられた逞しい肉体だ。なんか、いまさらだけど違いがちょっと恥ずかしい。 「あっ、んんっ」  全身にキスの雨が降って、ローレンスの唇が肌に触れるたびにくすぐったい。太腿の裏をちゅっと吸われると、甘い痺れに襲われて下肢がびくっと反応した。わわっ、こんなところでも感じるのかよ、俺。  ローレンスは仄かに笑ってから、そのまま俺の反応しつつある花芯を口に含んだ。久しくされていなかった口淫は、温かくてぬるぬるとしていて、下半身が蕩けてしまいそうなほど気持ちがいい。 「あ……あ……あぁっ」  俺は見悶えて、ついローレンスの銀色の髪を掴んでしまった。  陰嚢を飴玉を転がすようにしゃぶられ、竿の裏側まで丹念に舐められて、時々鈴口に舌が入り込もうとする。そのたびに快楽の波が押し寄せて、つま先までぴんと突っ張ってしまう。  やがて、先端の小さな窪みから、透明な樹液が滲み出した。口淫を続けられながら竿を撫でられるとたまらなく気持ちよくて、耐え難い快感がやってきて。 「ローレ、ンス……も、出る」  そろそろやめてくれ、という意味で訴えたんだけど、ローレンスは続けた。吐精を促すように甘噛みされたら、高みがやってきて俺はきつく目を閉じた。 「あ、あぁぁっ!」  どくりと中心が蜜液を吐き出した。放たれたものを、ローレンスは躊躇いもなく嚥下する。の、飲んじゃった。マジかよ。途端に羞恥が込み上げてくる。  次いで、双丘の奥にある菊穴にローレンスの舌が触れた。 「あっ……そんなとこ、舐めちゃ、ダメェ……」  とんでもないところを舐められていると思いながらも、口をついて出るのは甘い声。時折、穴の中に舌が入り込んできて粘膜を舐め回されると、なんだかむず痒い。 「ん…ぁ……あぁ、ん」  即座にイってしまうような強烈な刺激ではないけど、再び花芯が持ち上がるくらいには心地いい、優しい刺激だ。それでも執拗に続けられると……丁寧にほぐされ終えた時には、俺は息も絶え絶えだった。 「ローレンス……もう、早く……」  とろとろに蕩けた後孔の花襞は、早くローレンスのモノがほしくてひくついている。俺は甘い声でねだり、大きく足を開いて誘った。  蠢く花襞にローレンスは息を呑んだが、ふっと優しげに微笑んだ。応えるように、正常位の体勢で後孔に張り詰められたモノが押し当てられた。  ぐっと押し付けられる感覚に、短い息が何度ももれた。ゆっくりと圧力がかかって、少しずつそこが口を開けていく。数ヶ月ぶりの交合だけど、痛みはない。丹念にほぐされた後孔は、待ち望んでいたモノを根本まで呑み込んだ。  愛する人の欲望をその身に受け入れると、俺はなんだか泣きたくなった。ローレンスと繋がっている。いまさらと言えばいまさらなんだけど、愛する人と身も心も繋がることがこんなにも嬉しいものだったなんて知らなかった。 「動くぞ」 「う、ん……」  抜き差しされているとたまらなく感じて、中を擦られるたびに頭の芯まで熱くなる。もっと、もっと、中を抉ってほしくて、腰が勝手に動いた。 「あっ、あぁっ、んんっ」  初めはゆったりとした抽挿だったのが、段々と激しいものになっていく。ガクガクと揺さぶられて、気持ちよすぎて頭がぼぅっとしてきた。  快楽で霞んでいく意識の中で、俺はローレンスの首にしがみついた。 「ローレンス、好きだ。好きだよ」 「俺もだ」  繋がったまま、俺たちはキスをする。  その間にも腰の動きは止まらず、なんだかもう頭も身体もぐちゃぐちゃだ。 「ローレンス……! ローレンス……!」 「愛している、ノゾム」  愛する人からの愛の睦言に心が歓喜に震える。今まで言われたことがなかったわけじゃなかったけど、ようやくローレンスのことが好きだと気付いた俺には深く響いた。  キュンと中が引き締まって、ローレンスの雄をきつく締め付ける。ローレンスの猛々しいモノを強く感じて、俺はうっとりと感じ入った。  いい。すごく……気持ちいい。  俺たちは互いに激しく求め合い、そして。 「中に出すぞ」 「いいよ……全部、俺の中に……、――あぁあああああ!」  腰を打ちつけられると、中でローレンスの雄が弾けた。熱いものが肉奥まで飛び散り、その衝撃で俺も再び達してしまった。  乱れた息を整えながら、俺たちは抱き合う。 「ノゾム。必ず、幸せにするよ」 「俺も……ローレンスのことを幸せにする」  互いに誓うように告げ、俺たちはそっと触れ合うだけのキスを交わした。 「では、行ってくる」 「うん。いってらっしゃい」  翌朝。出勤するローレンスを玄関先まで見送りに出た俺は、ローレンスとキスをしてから送り出した。  今、俺たちの間にあるのはローレンスからの一方通行な想いじゃない。ちゃんと、俺からもローレンスへの想いがある。だからもう虚偽の夫夫ではなく、想いが通じ合った本物の夫夫だ。  といっても、ここは終着点じゃない。新しい始発点だ。今ここから、俺たちの夫夫としての新たな歩みが始まるんだ。  ……この時の俺は。  ずっとローレンスと一緒にいられるのだと、信じて疑っていなかった。

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