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プロローグ
ガタン、と全身が大きく揺らいだ。
電車の中、座れたから寝ようと思っていたから、目で見たわけじゃなく体で感じた衝撃だった。でも、全身に強烈な衝撃を感じた瞬間、激痛が走った。
視界は真っ暗なままで――これは、夢なのかな。
――そんなところにいたのか、捜したぞ。
あー、やっぱ、夢。
自分の夢占いはちょっと……というのも、占いじゃなく、分析になってしまうからイヤなんだ。
――早く来い。待っているだから。
えーっと、この場合、なにがキーワード? 捜す……いや、俺が捜されていたんだから〝捜される〟か。物を探すならなにかあったような気がするは、人から捜されるってのは記憶にない。辞典を引かないと。
それ以外では〝待っている〟か? これも記憶にないな。〝待ち合わせ〟とかなら覚えているが。
――その世界に未練はないだろう? そこはお前の生きる世界じゃない。早くこちらへ来い。
え?
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