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キミはサンタの忘れ物①
side.Tomohisa(攻視点)
その日は冬一番の冷え込みようで、雪まで積もり始めていたのに。
街中は、ひときわ光り輝いていた。
「さっぶ…」
そしてここにもひとり、孤独な聖夜を過ごす男が──…って。自分で言うと余計寂しくなるじゃねーか。
まあ、そんなこんなで仕事を終えて。
家まで帰ってきたんだけど…
「おかえり~、こんな日にお勤めごくろーさま~。」
一人暮らしなハズの自宅アパート玄関前で、そう迎えてくれたヤツがいた。
「んん?お兄さん、田中さんっしょ?」
“田中 智久 ”さん…と名指ししてくるソイツは、確かに初対面で。
俺が訝しげに眉を顰めると、クスクス笑ってうちの表札を示すもんだから。
思わずなるほどな~…と、つい納得してしまう。
「とりあえずさ~…」
家ん中入れてくんない?とおねだりされても。
得体の知れない野郎を、いきなり自宅に招き入れるなんぞ出来るわけがなく…。
俺の警戒心は、更に高まるばかり。
「雪降ってて、ぼっちでさ~…」
寒くて死にそうなんだって、なら家に帰ればいいのに。
「んー終電逃しちゃったし。帰っても、ねぇ…」
見た目軽そうで如何にも遊んでます!…な、イマドキイケメン男子なソイツ。
こんなヤツがクリスマスに独りとか、まず有り得ないだろとも思ったんだが…
「……うち、なんもねーからな。」
笑顔の端々に見せる表情が、どこか寂しげだったから。
「…いいの?マジ、で…?」
たったそれだけの理由で。
俺は初対面のソイツを…家へと、招き入れてしまうのだ。
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