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③
(……で、お約束の生殺しと…)
泊まりなんて、初対面のその日から何度となくしてきた。
勿論、オレひとりが浮わついてるだけで。
智久さん自身には下心も何もないんだから。
友達同士のノリで、なんだろうけど…。
(人の気も知らないで。ちゃんと解ってんのかなぁ…)
オレ、男と付き合ってたんだぞ?と…隣りでぐっすりと眠る智久さんの顔を見やる。
…そう隣り。なんの罠か、智久さんてガタイいいっしょ?だからベッドがやたらデカくってさ───…野郎3人くらいでも詰めれば寝れそうなくらい、余裕あんだよねぇ。
で、一緒に…ってわけだが。
(はぁ、やっばいなぁ…)
唯でさえ、遊び人で快楽主義なオレがだよ?
健気に…って初日に不意討ちチューはしちゃったけども。
好きって意識し出してからは、そういうおふざけも封印して。恋する乙女バリに食事だ掃除だって、地道なアピールだけで一年耐えてるんだから。
マジ褒めて欲しいよねぇ…。
(まあ、オカズにはしちゃってるけどね…)
爆睡してるのを良いことに、ぴったりくっついて顔を観察する。
智久さんは学生時代スポーツマンだった名残で、未だに筋トレしてるらしいから見事に逞しくて。
この腕に抱かれたら、どんなに気持ち良いだろなって、想像したら…───ついつい体が火照ってしまう。
(なんで彼女いないのかなぁ~…全然悪くないと思うんだけど。)
顔はまあ、フツーだけどさ。
アスリート並みの体格だけで充分魅力的だし。
スタイル良いから、何着てもモデルみたいで格好いいんだよね。
何よりさ、スーツが良いっていうか…いかにも大人!って雰囲気でさぁ。今日みたく仕事帰りにネクタイ緩める瞬間とか、色気ムンムンしちゃってて。
意識したらホントヤバいよ~ってなりマス…。
(ダメだぁ…も、勃ちそ……)
今日こうなると予想して、いつもより多めにヌいてきたのになぁ。本人目の前で、据え膳状態にされると…男の性には抗えないな、と思い知らされる。
(この手で、扱かれたら…)
智久さんの大きな手にこっそり触れ、指を絡めてみる。
毎回泊まってるから知ってるけど。
智久さんは寝つきが良いから、何しても大抵起きないので。就寝後はこうして好き勝手してたりするのだ。
(キスして、乳首も弄って…)
スヤスヤ眠る愛しい人に顔を寄せる。
寝息が掛かる位置に、オレの下半身は馬鹿みたく熱くなった。そりゃ完勃ちにもなるわなぁ。
(智久さん…)
ちゅって、唇に口付けても。智久さんは、全く起きる気配がないから…調子に乗ってペロペロとそこを、犬猫みたく舐めてみたり。
それでも起きないから、欲望はエスカレートして…。吐息にうっすら開いたところに、舌を少しだけ挿し込んでみた。
(ん…はぁ…っ…)
智久さんの舌をなぞり、絡める。
さすがにバレたらヤバいから、一瞬で離れた。
つう───…と糸を引いた唾液に、興奮が止まらない。
(はぁ…抱かれたいなぁ…)
不謹慎にもエロい顔して、智久さんの股間に目をやる。
(きっとコッチも、デカイんだろうなぁ…)
オレの尻に入るかな?とか、要らぬ心配してみたり。
だって智久さん、ホント男らしいんだもん。
例えるなら雄の中の雄、みたいな感じ?
(お尻、ムズムズしてきた…)
頻繁に会えるわけじゃないからさ。
ぶっちゃけ恋しくなった時は、自分で慰めてたけど。そんときは智久さんには、お世話になってんだよね~
…勿論、オカズとして。
前コスりながら、後ろも自分で弄ってさ。
智久さんに抱かれんの想像して、昨日もしっかりオナってきたんだから────…
マジ切ないわ…
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