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第46話 なんでもやる ※
「アッ、アッ、アッ、アゥッ、ヒィッ、痛いっ!!」
ヤらないって言っておきながら結局ヤルんじゃねえかよっ!! このムッツリスケベっ!!
「ッ、ひぅぅッ、痛っ、痛いっ!!」
「声が違う…不快で萎える。これじゃあいつまでもイケないぞ」
不快とはなんだと言おうとしたら、うつ伏せにされて顔に枕を押し付けさせて後ろからガンガン突いてくる。
「枕でも噛んで黙っててくれ」
「んぶぅっ!!……っ…ぅ…ぉ…つ…ぁ…っ…」
「アイツのかわりに抱いてるんだから有り難く思って下さいよ。アイツは汚れてない綺麗な身体なんだ。神子様とは全然違う。俺が絶対に手を出せない大事な…」
「ぅっ…っ…ぅ…ぉ…んんっ…ぐ…ぅっ…」
ぶつぶつ文句言いながら突き上げて、なかなかイカない。
コイツ遅漏かっ!!早くイケよっっ!!
かれこれ30~40分はゴンゴンと尻と腹の中を擦っていて先走りもないから熱くて痛い。
なんで一度もイカないんだよっ!!
そのうちケツからオイルで火がついちまいそうだ。
「くっ!」
「………うーっ!!…っ」
ガストーが腰を引き寄せて射精の快感に身体を震わせて奥へと流し込んだ。
「んうぅぅっ、ぷはぁーーっ!!はーっ、はーっ、はーっ」
やっと終わった………これで1回かよ。
尻がヒリヒリと焼け爛れた痛みを訴えてる。
あと、何回させられるんだ。
ガストーは射精の余韻を味わうことなく、ゴミを捨てるように引き抜いて すぐにシャワーを浴びに行った。
ほっ 良かったこれを他の奴らみたいに何回もヤられたらたまったもんじゃない。
シャワーから戻ったガストーが俺の目の前に小さいサファイアが沢山連なっているネックレスを投げてきた。
これはガストーがさっきまで身に着けていたもの…
これがガストーの魔法石……畜生こんな風に投げつけやがって
悔しいが討伐で俺を守ってくれる大事なアイテムだ。
ネックレスを握りしめてほっとする。
ベッドに突っ伏している俺のケツをガストーに叩かれた。
「いてっ!」
「いつまで寝ているんだ。早く着替えて下さい」
「へ?」
「召喚された場所に行きたいんじゃないんですか。行かないんなら俺は自室に帰ります。」
こんなに疲労困憊しているのに!
と文句を言いたいところだが、これを逃したら次がないかもしれないと急いでシャワーに行こうとするけどケツが痛い。
「つつっ…うっ、く、…ガストー…俺…ケツが痛くて歩けそうにな…あっ!」
上目遣いであざとくシャワーに連れてってとアピールしたけど通用しなかった。
シャワーなしで着替えさせられ ネックレスを付けられた。
「よし、行くぞ」
「ちょっ待てよっ!! シャワー位浴びせろ。それにケツが痛いんだってっ…いってぇっ…いーーーーっ、はっ!そっちはっ!」
俺の言葉には耳を貸さずグイグイ手を引いて歩かされるその先は窓。
ベランダに出たと思ったら俺をそこから放り投げた。
「ぎゃあああああっ!!」
地面に落ちると思ったら、ボフンと羽毛布団のようにふわふわな青い物の上に頭から落ちた。
「…あ?…」
「うるさいな」
カエルのように寝転がっている俺の隣にガストーは立って前を見据えている。
ふわふわの羽毛布団は乗り物みたいで風を切って魔法学園がどんどん小さく見えなくなっていく。
「す、凄いな。お前の魔法か?何だこれ?ふわふわして まるでおとぎ話の…」
「雲です。知らないんですか?」
は?
「いやいや、雲っていうのは水蒸気、細かい水の粒が………わあああああああぁぁぁーーーーーーっ」
俺の足元の羽毛布団の感触がなくなり、垂直に地面に落ちる。
ガストーが俺を姫抱っこでキャッチして助けた。
「ふぅ危ない。何だ、神子様は雲に乗れないんですか?面倒くさいな」
最初は乗れたはずの雲の上に立つことが出来なくなっていた。
嫌そうなガストーに抱っこされながら俺の召喚された場所まで連れて行ってもらうことになった。
目的地に近づくにつれて、何かが燃えたような焦げ臭い匂いがどんどん強くなる。
火事か? 何かあったのかと周りを見ると一面黒く焼けた森だった。
山火事でもあったのか?
嫌な予感がする。
「この辺だな」
雲は丸くきれいに整地されたような場所に降りた。
そこの土も一部黒く焼け焦げていた。
「なんだよ。これ」
「そこで神子様は倒れてました」
ガストーが指差したところは、なぜか楕円形の形に土が焼けていなかった。
「ここには俺と神官と騎士たちが到着しました。神子様を運ぼうとした時、この場所は炎に包まれて、神官達も騎士達もみんな焼けました。生き残ったのは俺の守護 にいた神子様だけ。神子様の言う、本当の神子様がここにいたとしても燃えてなくなってる」
本当の神子様がここにいたとしても燃えてなくなってる??
「マジか……マジか、マジか、マジか!…坂井は死んだ…のか……?…」
「あー、あそこにオブジェがある。あれは神子様の世界のものじゃ…?」
オブジェと言われたものに目を向けると、それは高熱で焼け、ぐにゃりと曲がっている…
「…学校の椅子…」
よろよろと近寄りそっと触れるともう熱はなく、スチールの冷たい感触だけで木の部分は全て焼け落ちている。
椅子がこれなら………人間はもう………
身体がガタガタと震えだす。
どこかで自分達だけは絶対に大丈夫だと、何があっても死ぬようなことはないと………。
ゲームのようにコンティニュー出来るって甘く考えていた。
現実はそんなに甘くないんだ。
「うわああああああああああっ!!」
坂井は死んだっ!! ここで死んだんだ。
怖い、怖い、怖い!!
下手したら俺もここで死ぬっ!!
嫌だッ!俺は死なないぞっ。
死んだりするもんかっ!!
神子でもなんでもやって、絶対に生き延びて元の世界に帰ってやるっ!!
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