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4日目:絶頂と潮吹き

 「は──、ひぃ…!…もう──先っぽ蕩けちゃう…!先っぽ、溶ける…ぅっ!──ゆる、して…、くださ、っ──、と、とめて──っ…。」  犬の如くに舌を覗かせ、激しく喘ぎ続けるシンジの中では、性感帯にガッチリと食い込む玩具がぎゅうぎゅうとそこを押し潰し、目の前がフラッシュするような感覚を生み出してくる。  じわ、と、身体の中で何かが緩むのを感じた。射精でもドライオーガズムでもない、もっと別の何かが込み上げてくる。  「ひ──ぁ、…まだ…先っぽ、…ずりずりされたら、しんじゃう──っ…。ぁ、な…にか──、来る……っ。…やだ、しらないの…出るぅ──ッ…!」  自分自身の内壁の蠕動でぐりゅ、と前立腺が押し潰される。瞬間、頭の中に極彩色のペンキをぶちまけられたように錯覚した。塗り潰されていく思考回路とは別のところで、ぬるつく布の刑罰を受けていた牡の切っ先から、ぷしゃっ、と何かの液体が迸る。  役立たずになった視野の外から、ザラキアの軽い口笛が聞こえた。  「お、潮吹きながらイッたか。──出すモノがなくても、ちゃんとイけるだろ?よし、あと二回、潮吹いてイけたら許してやる。」  「い──イッ…、そん…なぁ──っ!」  咄嗟に、失禁してしまったのかと思って絶望的な羞恥で目の前が暗くなった。だが、そうではないらしい。精液とは違うさらりとした温かな体液は、玩具の凹凸でグリグリと奥の肉穴のツボを押され、痛いばかりに鋭敏になった勃起の先端だけをぬるぬる磨かれれば、また容易く腹の底からせり上がってくる。  「ひ、ぁ、イく──、イくぅ──!」  「これで二回目だ、あと一回…。ほら、シンジ。──ブッ飛ぶほど、イッちまえ…!」  びしゃびしゃと迸る液体が床を濡らした。だが、ザラキアは責めの手を止めない。押し付けた布の面で亀頭全体を包み込みながら、ごしゅごしゅと激しく動かして、神経の塊のようになったそこに強烈な刺激を送り続けてくる。  もう無理だ、変になる、狂う、駄目だ。  そう思った矢先、視野が勢いよくぐるりと回転する。暗闇に染まる視界の中で下半身が意思に反してぶるぶると震え、恥ずかしくなるほどの大量の潮がブシャブシャと勢いよく鈴口から噴き出してきた。自分の身体がそんなことになるなんて知りもしなかったのに、もう、この感覚を覚えたら後には戻れない。  ひゅうひゅうと絶息寸前の呼吸を繰り返すシンジは、がっくりと首を折って俯き、気絶寸前の境地にある。意識の中に、ザラキアの声だけが刻み付けられて残った。ぴしゃりと冷たく言い放つ、奴隷調教師らしい、魔物らしい、容赦のない厳しい声だった。  「いいか、奴隷の身体に傷は付けねぇ。その代わりご主人様(マスター)の言いつけに背くと、イキ地獄だ。…二度と普通には射精できねぇようにしてやる。解ったな?」

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