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4日目:刑罰ローションガーゼ

 開きっぱなしの太腿には力が入らず、ガクガクと震えている。解放された牡は未だに勃起してはいたが、これ以上はどう弄られても男の絶頂を見ることはできないだろう。  きついお仕置きもやっと終わりか、と、荒い息をしながら調教台に身を投げ出すシンジの前に佇み、ザラキアはしかし、切れの長い涼しげな眼を冷酷に細めて肩を揺らしながら笑うのだ。  「お前、今、これで終わりだと思っただろ?…そうはいくかよ、勝手に出せないように躾けなきゃ意味がねぇよなぁ…?」  勝手にガタガタと震え続ける膝頭を、形ばかりは優しく撫でながら、ザラキアは不意にシンジの両足の間の穴にズプリ、と異物を押し込んでくる。それは、昨日の調教の最中に使われた、奥に食い込んで性感帯だけを刺激する(いびつ)な形状の調教器具だった。  「ひ──ぐッ…!」  「精液は出し尽くした。だが、まだイけるだろ?すぐ漏らすだらしのねぇ場所には徹底的な罰が必要だ。身体に覚えさせてやらねぇと──。」  今度は反対側から前立腺を刺激され、玩具を飲み込まされた穴の縁がヒクヒクと震える。  ぼんやりと焦点の合わないシンジの目の前に、ザラキアは、ローションのような液体で濡れそぼった一枚の布を広げて見せた。それは手拭いのような、ガーゼのような質感の、トロトロと濡れ光る布だった。  「これで、お前のココをくるんで磨いてやる。…飛ぶぞ、お前。覚悟しとけ。」  一体、それが何に使われるのか見当もつかなかった。ただ不安に身を引き攣らせるシンジの前で、ザラキアはローション漬けになったぐしょぐしょの布を左右に引き伸ばし、ピンと張った布の中に牡の切っ先をくるみ込んでしまう。ひやりとした質感に軽く腰を浮かせた瞬間、ザラキアの手が横に動き、そして、それ(・・)は始まった。  「イッ──、ひああぁ…っ!…なに──、これ…、アぁ…ゃ…、だめ…だめぇっ…!」  ぬるぬるに濡れた布が先端の最も敏感な部分を包んだまま小刻みに左右に揺れ、冷ややかなぬめりと、その奥にある繊維のざらついた質感が絡んで情け容赦なく先端を磨きに掛かってきた。そこから突き抜ける、未知の強過ぎる快楽。こんな感覚を味わったことは、ない。  亀頭を巻き取った薄い布が左右に動く度、ぞりっ、ぞりゅっ、と滑る繊維が先端の神経を余さず擦り付ける。これは絶対にダメな感覚だ、と本能で悟っても、ザラキアは布を持つ手を止めてはくれない。くるくると巧みに布を操り、時折浮かせて不規則な刺激を与えながら、先端のみを徹底的に罰し続ける。  弾みで、ぎゅっと締め込んだ後ろの肉洞にぎっちりと玩具が食い込み、ごりっとスポットを刺激されたシンジの口から言葉にならない悲鳴が迸った。  「ぁ…ふ──ァぁ、ああぁ…!」  「どうだ、これは強烈だろ──?ぬるぬる擦れて、先っぽが堪らないだろ。」  最も敏感な場所への一点責め。しかも、そこだけの刺激では吐精に至ることはできない。快楽神経そのものを濡れたガーゼで直接ぞりぞりと磨かれているような、散々虐め尽くされた牡の限界を超えて攻め立てられているような快楽に、拘束を激しくガチャガチャと揺らしながら涙を流してシンジは泣き喚いた。気持ちがよくて、あまりによすぎて、脳の芯までどろどろに狂わされてしまいそうで、涙と唾液に濡れた顔をだらしなく歪めて腰を浮かせ、短い黒髪を乱して頭を激しく振る。  「──ぁ、ご主人様(マスター)…止めて、止めて下さ…っ、先っぽ(つら)いッ…壊れる、こわれ…ちゃう──っ…!」  「ほれ、こんなもんでギブアップすんな。先っぽがダメなら、こっちはどうだ?」  「ひ…イ…ッ──!そっち、──も…むり──ぃ…っ!」  琥珀色の手がくるん、と器用にガーゼ布を操り、今度は勃起した幹全体を包み込んでごしごしと扱き立ててくる。もう、出すものが尽きたそこを刺激されても辛いばかりだった。手慣れた調教師はそれを熟知しているのだろう、ぬちゃぬちゃとぬめる布は即座に神経が集まる尖端に戻り、ぐっしょり濡れた繊維でこそげるように、こちゅこちゅと小刻みに左右に動き続けた。

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