「ぁ…ご主人様──ッ、…もう──無理…ですっ、も…で、出ませんから──っ…。これ──、取ってください…！ゆ、許して──っ！つらい──ッ！」 　「もう出ねぇか？搾り甲斐のない──。そいつは、そうなってからが本番だ。文字通り、一滴も残さない。…見えるか？そいつは、体外の胃袋に搾り取った精子を貯めるんだ。だいぶ膨らんできただろ？」 　「ッ、…そんな──ぁ…っ。──ひ…ぁ…？…や、ナカ…う、動く──っ！」 　泣き顔に近く顔を歪めるシンジの懇願はあっさりと無視された。そして、赤黒い軟体生物の頭部は、薄いゴムかクラゲのような皮膜状に膨らみ、そこに確かに白濁した体液をたぷんと貯め込んでいるのが見える。肉体への強過ぎる刺激に加え、自分の出した精液を見せ付けられている羞恥心で、シンジの目元がじわりと熱くなった。だが、ザラキアが押し付けた蟲は、擦るだけでは搾り取れないと感じたのか、ぴたりと動きを止めて内側の構造をザワリと変化させる。 　一本の、柔毛ブラシというには少々太い触手のような器官が、精液の吐き出し口にぴたりと触れるのが感覚だけで解った。ぬらぬらと生温かな粘膜に包まれた触手は、細い先端の狙いを開いた鈴口に定めて押し当て、ずるん！と難なく茎の内側に入り込んでくる。 　目の前がチカチカする衝撃と共に、シンジの腰がガクンッと跳ね上がった。 　「だめッ──、そんなところ…お、犯さないで…っ──！…っ、や、ぬるぬるしたやつ…お、奥まで…入ってくる…ッ──！」 　「身体の中まで搾り取りに行くんだ。貪欲だろ？──お前のサイズなら、精巣の入口までは余裕で入っていくから、限界まで搾り取って貰えよ。」 　尿道プラグのように硬くもない、細い舌のような器官がチロチロと内側を舐め取りながら、本来入ってはいけない道の奥深くまで強引に割り込んでくる。固定された腰を引いたところで、本能的に精液を求める生物の動きを阻むことは出来ない。 　細く伸びたぬるつく触手が前立腺の真ん中ををぐぷん！と押し開き、頭の中で無数の爆竹が弾けたかと錯覚した。自分勝手にわなわなと震える手足、浮き上がる腰を止めることは、もうできない。 　「ヒ…い…ッ──！もっ、…へ──変に…なっちゃう…っ…！…助けて──ぇっ…。」 　前立腺を容赦なくツプツプ押し込んでマッサージしてくる触手は、人外の挙動で餌となる精液のありかを探していた。ちゅう、と体内を吸い上げ、ぬるぬると動く蟲が食い込んだ牡には幾度か絶頂感が訪れるが、ただブルブルと震えを伴う射精の快感が生じるばかりで、精液そのものはみっちりと触手が入り込んだ尿道に辿り着く前に、ジュルジュルと吸い上げられているのだろう。 　もう無理、辛い、止めて、と叫び続けても、体内の精液を全て吸い尽くすまで、この生き物が止まる気配はなかった。前だけでここまでイキ続けたことはない。 　ついに腹の奥と、牡の二つの膨らみに疼くような痛みを覚え始めたその時、搾精の蟲はようやく諦めたようにちゅぽん、と触手を引き抜き、ふやけるほど締め付けていた器官を解放する。 　力を抜いた蟲をずるりと取り除く摩擦の衝撃でシンジに最後の絶叫を上げさせると、ザラキアは、蟲の頭部と思しき場所に溜まった白濁液をじっと観察し、手早く蟲の胃袋を縛ってから再び容器に戻していった。