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5日目:こじ開けられた奥

 『もっと深いところに指を入れて、気持ちいいところをゴリゴリ擦りたい。むしろ、一方的に擦り抜いて、快楽スイッチの入るスポットを嫌というほどいじめて欲しい。』  そんな欲求が湧くのに、シンジの指ではどうしてもうまくそこを探し当てることができないのだ。眉尻を下げ、息を喘がせながら尚も必死で奥を(ほぐ)すシンジの様子に、椅子の上で長い脚をスラリと組んだままのザラキアは、ふむ、と鼻を鳴らす。  「もうそろそろ、いいだろ。次は、その突き出した棒の上に腰を落として、自分で挿れてみるんだ。騎乗位で、ご主人様のモノを穴で扱くご奉仕の訓練になる。それに指だけじゃ、奥まで届かなくて切ないだろ?」  シンジの淫らな考えを見透かされたかのようで、背中がヒヤリとなると同時に、頬が焼けるようにかぁっと熱くなるのを感じる。床の上に固定された、柔らかい材質で出来たピンクのビーズ状の玩具は、その長さを見れば少し怖かった。が、鞭の先で床をトントンと叩きながら見守るザラキアの言いつけに従って、その上からトロトロとローションを注ぎ掛け、両脇を跨いでそろりと腰を下ろす。  「片手で、先っぽがきちんと入るように真上に誘導するんだぞ…。そうだ、そのまま入口に押し付けて、ゆっくり挿れていけ。」  「はい…。──ッ、く…ぅ…んっ…!」  言われた通りに、右手でぬるぬると濡れる玩具の幹を支え、狙った通りの場所に押し当てた。ぐ、と押し付けると、最初の一粒がずぷんと体内に潜り込んでくる。背筋がぶるりと震える、快感の予兆。挿れる瞬間だけは少し苦しかったが、一度入ってしまえば、後はもうぐぷぐぷと自重に従って飲み込まれていくだけだった。  「は──ぁ、…ああァ…っ──!」  ゴツゴツとしたビーズが、性感帯の真上をグリグリと押し潰してひとつ、またひとつと奥まで入っていく。腰が痺れるほどに気持ちがよくて、足が崩れてしまいそうで、咄嗟に床に手をついて堪えた。  『気持ちイイところを、もっと擦られたい。勢いよくズブズブと犯されたい。』  ぼうっと霞みかかった頭の中から、そんな卑猥な欲求がどんどん湧き上がってくる。ほんの数日前までは考えたこともなかったインモラルの中に平然と溶け込んで、それを受け容れている時に大量に放出される脳内麻薬の多幸感は、きっともう二度とは忘れられないだろう。  「ふぁ──うぅ…、っ、ン──あぁ…っ…!」  腰が、勝手にゆらゆらと動いた。ごつごつした玩具の凹凸がイイところに当たるように脚を開き、ずぷ、ぢゅく、ぬぷ、と大きな濡れた音を響かせながら自分で自分を貫いて見せる。その様子を、主人であるザラキアに見られているという恥ずかしさで後ろの肉壁がきゅうっと甘く引き締まり、ぷっくりとしこりになった性感帯を露骨に浮かび上がらせた。  「お、いいぞ。気分出てきたじゃねぇか。公開オナニーショーでガチガチに勃てられるくらいの被虐体質でなきゃ、一級の性奴隷(セクシズ)とは言えねぇ。ご主人様(マスター)に見られながら、そのまま奥の奥までブチ抜いてみろ。」  「お──おくまで…?ッ、ぐ、──うぅッ──!」  体内にある第二の門の上をどつどつと玩具の先に当てる。だが、それだけではザラキアは到底満足しないらしい。開かれるだけで頭が真っ白になり、まともに物を考えることもできなくなるあの部分を、自分の手で開いて見せろと言う。  ぐ、と下腹に力を込めると、挿入の強烈な快感を知ってしまったそこは力の抜き方を覚えていて、連なるビーズ状の玉の先端をくぽりと咥え込んでいった。途端に、目の前に無数のフラッシュの光が弾けて飛ぶ。  「ヒぁ、──はぅッ──!…あぁ…アぁぁ──んッ──!」  体中がガクガクと震え、手を触れられてもいないのに完全に固く屹立した牡の先端からは、だらしなく先走りの涎が垂れている。そこを突かれると、容易く飛ぶ。そんな結腸の奥まで長い玩具をずっぽりと飲み込んだ瞬間、脊柱を駆け上がって脳天を貫く絶頂感が生じ、中だけで軽くイッてしまった。

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