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7日目:ザラキアの真意

 十年に一度の饗宴(サバト)。人間の性奴隷(セクシズ)を愛好する貴族や道楽家の商人の前で、性奴隷調教師たちがこぞって自分の腕前を披露する、街を挙げての祭りの日だ。七つの大罪を美徳とする魔族たちはこの日、惜しみなく飲み、喰らい、腹を満たして快楽に(ふけ)る。  どの魔種も、自らの気に入りの性奴隷をペットのように連れてくる。そして、その血統や外見の美しさや仕上がり、性技の腕を比べ合い、互いに見せ合うのだという。  「人間の世界の、ドッグショーみたいなものかな──。」  「ん?なんか言ったか?──ま、いいや。んで、饗宴(サバト)の中の目玉が、高位の性奴隷調教師による調教ショーなんだが。…まぁ当然、俺様の腕を楽しみにしている贔屓の客もいてね。下手な作品は出せねぇ。それでこのあと十年の評価が決まっちまう訳だから、ショーに出る奴は、みんな本気で仕上げてくる。」  ぽつりと呟いたシンジのひとりごとを、ザラキアは綺麗に流してくれた。そして後ろを振り返り、シンジを見下ろしてニッと笑って見せる。  「俺は、そのショーのトリにお前を出す。──この七日間で仕上げたお前の全てを、ソドムの街中の金持ちに見せつけてやるんだ。出来るよな?…ご主人様(マスター)の前でオナニー見せて感じ切るような、淫乱性奴隷のお前なら。」  「それ──は…!」  つまり、大勢の魔族や他の性奴隷を前にして、今まで身体で教わってきたいやらしいことの数々を全て曝け出せ、ということではないか。  戸惑うシンジの内心を見抜いたように、ザラキアが楽しげに続ける。  「そうだ。喉の奥まで咥えるフェラから、スケベに仕上げた処女エロ穴の奥まで、全部他人の前で見せるんだよ。嬉しいだろ?そして──お前の処女は、明日、散らされる。ステージの上で、皆に見られながら俺様に処女を捧げるんだ。…サイコーじゃねぇか、なぁ?」  「──ッ…!」    ザラキアは、自分の手でシンジの処女を散らすつもりだったのだ。  それも、大勢の人の前で、奥まで調教された狭い肉洞に、口で咥えるだけでも苦労する、あの大きなモノをズップリ挿入されるのだと考えるだけで、心が不安で曇っていくのを禁じ得ない。  しかし。  「はははッ、やっぱりお前は淫乱奴隷の素質があるな。話を聞いただけでソレか。」  「え──?」  楽しげに笑いながらシンジの下半身を指差すザラキア。言われて初めて、下腹で、牡の器官が何ら刺激を受けることもなくヒクンと頭を持ち上げ始めていることに気が付いたのだ。  ザラキアの長い腕が、するっと首に絡む。引き寄せてくる体温と、高級な香水のような匂いに触れただけで、心臓がトクンと跳ね上がるのを感じた。  「安心しろよ。お前みたいな稀少で育て甲斐のある性奴隷(セクシズ)を、そうそう簡単に手放しはしねぇさ。おまけに、根っからのソドム産の奴隷と違って、お前には一丁前の自我がある。──よしよし、ご主人様(マスター)に初めて挿れてもらうことを想像しただけでおっ勃てるか、可愛いヤツだ。まずは、明日の下準備だ。いいな?」  「──は、はい…。」  あまりの恥ずかしさに、全身がかぁっと熱くなるのを感じる。疑似セックスだけでもあれだけ気持ちよかったのに、本物のザラキアを挿入されたらどうなってしまうのだろう。熱くて太いモノで奥の奥まで突き抜かれて、頭がおかしくなってしまうかもしれない。  真っ赤になって視線をさまよわせながら小声で返事をするシンジの頭を軽く撫でると、ザラキアは、手にした鎖をジャラリ…と鳴らしながら引いた。

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