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第24話 白薔薇茶会
「こんにちは。」
「しばらくでした。」
口々に挨拶して、もうロジの家にもみんな慣れている。ロジとミト、ハジメとタカヒロはよく知っている。小鉄とジョーちゃんもドラァグクイーンとして写真集に載ったから知っている。
傑と礼於のカップルには、初めて会うはずだ。それとサドの王、沼田レイモンと尊(たける)のカップルも初めて会うのだ。
有名税か、ネットが炎上したり、ストーカーまがいの事もあった。何かが話題になるとそれに乗っかって酷い書き込みが増える。時には身の危険を感じる事もある。
大学で尊のアカウントを乗っ取って、酷い書き込みをしていたのは、尊の後輩、ロジの研究室の学生だった。ミトは友也というその学生と、今では友達になっている。
ミトはネットも見ないし、誰も憎まない、恨まない、独特の感性をしている。
ロジはミトを「私の天使」と呼ぶ。
初めの頃、「白薔薇」の人たちは、リアルゲイのカップルを知らなかったから、驚きの連続だったようだ。
他者から見れば、爛れた性の輩に見えたかもしれない。でも,実際には、いやらしさなどない、本気のラブラブカップルばかりだった。
ロジが言う。
「愛した人が男でも女でも、愛してしまえばそんなの関係ない。君たちも同じだろ。
好きになったら触れ合いたい。もっともっと相手を知りたいし、近づきたい。」
「そうですね。でも、片思いって辛いでしょ。
告白出来ない関係は辛そうです。」
「そうだね。たまたま、私たちは自分の欲望を叶えられる環境にあった、と言う事だね。
恵まれてると思うよ。」
今日は、久しぶりのお茶会だ。
タカとアキラが紅茶と珈琲の用意をして、ミトとハル君がお土産のケーキを出している。なんだか気が合っている。
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