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第200話 そして
「ねぇ、傑、今日は日曜日だから、何処かに行こう。」
「そうだね、何処に行く?何をする?」
傑の髪を触って、こちらに顔を向かせる。
「キスして。」
普通にキスしてくれる。
「これだけ?」
「止まらなくなるよ、お休みが終わってしまう。」
そう言いながらも抱き寄せてソファに倒れ込む。頭を抱えて深い口づけ。
角度を変えて何度も何度も。
舌を絡ませて、唾液が溢れる。
「あ、ああ、ダメだよ。」
ソファに座り直して、もう一回口づけをして、やっと離れた。
「公園に散歩に行こう。」
簡単な事だった。手を繋いで歩くのが嬉しい。
日曜の公園。何でもない事が嬉しい。アイスクリームを食べて、腕を組んで歩く。そんな事が楽しいのだ。
公園のベンチで隣に座って、家にいる時よりは少し離れている。その距離のおかげで顔がよく見える。
「フフフ、傑って素敵なんだ。」
「礼於に言われると,なぁ。
礼於は自分の事、わかってるのか?」
「ううん、傑はボクの顔が好き?」
「好きだよ。顔だけじゃないよ。
礼於がもう少し不細工でもいいのに、って思うよ。心配しなくて済むからね。」
「心配してくれるの?
きゃあ、もっと心配して!」
傑の唇で口を塞がれた。
ーおわりー
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