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第25話 ハルマからの質問

俺は家に帰って、落ち込んでいた。 タツオミに悪いことをした。 逆の立場でよくよく考えたら、だいぶ異常事態だ。 好きな人には恋人がいて、目の前に二人ともいる。 尽くしても、キスしかできない。 ハルマにも……。 絶対言えない。 俺がタツオミを好きになってしまったら、むしろ堂々と報告する。 が、今回は体でお礼をする……みたいなかんじだ。 巡り巡って、受かればハルマのためだ。 それにタツオミとハルマだって、友達なんだ。 無駄に関係を壊したくない。 はあ……。 二人に申し訳なかった。 でも、タツオミの協力がなければ、たぶん俺は合格できない。 それに、結局、俺は二人のことがどっちも好きなのだ。 優柔不断が良くないのはわかっているけど……。 ―――――――――――― タツオミが予備校の日は勉強会がない。 ハルマの家で勉強をする。 「リョウスケ……なんか元気なくない?」 ハルマが言う。 「あ、うん。最近、勉強ばっかりしてるからかな。」 それは本当だ。 「まだ、2年の春だし、あまりこん詰めるともたないよ……って、タツオミが言ってた。」 「それもそうだよな。特に俺みたいな奴は、燃え尽きるかも。」 シャーペンを放り投げるように置いて、仰向けに寝転がる。 ちょっと息抜きも必要だと思った。 「リョウスケ……。」 ハルマが上に乗ってきた。 「最近、してないよね?」 「あ、うん。そうだね。」 ハルマがキスをしてくる。 チュッチュッ……と、ハルマの部屋に懐かしい音が響く。 「……欲求不満なの?」 ハルマに聞く。 「……そうだけど……。」 競ってたわけじゃないが、ハルマの方が先に我慢できなくなるのは意外だった。 ただ、俺は、昨日のタツオミのショックから、立ち直れていない。 ハルマを引き寄せて、下にする。 ハルマにキスをしながら下半身を撫でてやると、徐々に大きくなってきた。 今日は、ハルマのを出させて終わりにしよう……そんな風に思っていた。 「タツオミと、何かあったの?」 ギクッとする。 「……なんで?どういう意味?」 ハルマの大きな目が俺を見る。 「タツオミは……もしかしたら、リョウスケのことが、好きなんじゃないか、って……。」 「……まさか、わざわざ俺なんか、好きになる理由がないじゃん。ハルマは、幼馴染だから、わかるけど。」 白々しく言ってしまった。 「タツオミが……リョウスケに笑いかける時って、なんか違うんだよね……。本当に、優しい顔になるんだ。教えてるときのトーンも違うし。」 「出来が悪い子ほど、かわいいって奴じゃないの?親心的な。」 「……リョウスケはさ、タツオミから告白されたら、どうする?」 困る。 困ってるよ、現実に。 「俺には、ハルマがいるから、断るよ。」 「断っておいて、勉強会だけしよう……っては、ならないと思うんだ。」 本当、そう。 「タツオミは、あんな性格だから、二番目でいいとか言いそうだし。」 まさに。 「リョウスケだって、それなら、とか、言いそう。」 読まれてる。 冷や汗を感じながら、表情に出ないように全力を尽くす。 「……そうなっちゃったら……ハルマはどうする……?」 もう、俺とタツオミは、ある意味契約を交わした後だ。 残るはハルマの受け取り方次第だ。 「俺は……リョウスケに、告白するのにすごく勇気がいったから、タツオミとそうなるなら……タツオミだって、すごく悩んだと思うんだ。そういう意味では仲間だよ。だから……本当はリョウスケを独り占めしたいけど……タツオミとリョウスケがちょっとは一緒にいるのも……いいかなとは思っちゃう……。」 「ハルマ……お前、友達思いだな……。」 「同類の憐れみだよ。」 ハルマは儚く笑った。 俺はハルマにキスをした。 「でも、こういうことするのは、ハルマとだけだから。」 ハルマの服を脱がせていく。 いつもより丁寧にハルマを可愛がった。 体の隅々まで撫でてやる。 体が興奮であったまったところで、ハルマの中にも入った。 久々のハルマの喘ぎ声。 ハルマの中はやっぱり気持ちいい。 ずっと、ハルマとこうしていたいから、がんばろうと思っているんだ。 昂って来たので、腰を動かした。 「ハルマ……好きだよ……!」 ハルマを突きながら言う。 「俺も……好きだよ……。」 そう、こんなことができる相手はハルマだけだ。

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