2 / 47

バース世界設定

 この世界には男女の性別以外にα、β、Ωという2つ目の性が存在する。現在αは人類全体の約2割、βは約7割、Ωは約1割確認されている。  αはあらゆる能力に秀で発情(ヒート)のΩに接触すると誘因性の発情(ラット)を起こす。凶暴になり自制が難しく本能のままに行動してしまう。  βは人類の多くを占める性で発情とは無関係で自制可能である。平凡な能力の者が多い。大体がβ同士で結婚している。  Ωは男女ともに妊娠可能。一定周期にヒートを起こし、αやβを誘うフェロモンを無意識に放出する。有能な性であるαを産むことができる貴重な存在なのにも関わらず、酷い差別を受けてきた過去がある。  現在は抑制剤の普及により普通に生活ができている。それでも弱いことからDVの被害を多く受けている。  Ωの差別に関して昨今は法整備がさせるなどして減少傾向にあるとはいえ、古い考えを持つものは多数存在し今でも悩まされているものも多い。  抑制剤には2種類ある。  1種類目はαの抑制剤。ラット対策用で、ヒート中のΩと接触しても理性や自我を保つことができる。ただし完璧に防ぐことはできない。  2種類目はΩの抑制剤。ヒートの症状をある程度抑えることが可能である。しかしヒート中は理性や自我の保持が困難なため事前服用が推奨されている。  どちらも薬局に行けば買うことが可能で種類も多数ある。値段や効果も様々で安価なものや素枠品も出回っている。  他にもΩが使用可能な薬はあるが処方箋が必要とされており、一般的購入はできない。    αとΩには特別関係がある。それは(つがい)と呼ばれている。ヒートΩの頸を噛むことで関係を結ぶことができる。番になったΩはフェロモンを放たなくなり、互いにのみ発情するようになる。  更に特別な関係性がある。それは運命の番(うんめいのつがい)と呼ばれている。出会った瞬間滝に打たれたような衝撃を受け、目が離せず本能的に求めてしまう傾向にあるとされている。    番関係はαからであれば解消も可能だが、予期せぬ状況で番関係を強いられてしまう事案が多数発生したことにより医学での解消可能となった。しかし高確率でΩはその後何らかの後遺症に苦しめられるとされている。      

ともだちにシェアしよう!