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82.ダブルデート⑧(満&航ルート 1.)

「これ、まだ売ってるんだな……」 「定番商品てやつですね」 さて、一通りのイベントを終えて土産売り場に入った一行だ。 航が見上げているのは、昔祖父に捨てられたものと瓜二つのぬいぐるみだった。 「買いましょう」 「え、いらねーし」 「貴方とご両親の美しい思い出に私の存在を捻り込みたいだけなのにお気になさらずに」 「デリカシーが無さすぎるだろ、やめろ」 「櫂くんも欲しいのある?僕が買ってあげる」 「大丈夫です!お小遣い持ってきました!」 「大丈夫じゃないの、買ってあげたいの。 むしろ買わせてほしいの。 そばにいつも置いて、ぬいぐるみを見るたびに誉に買ってもらったな♡って僕のことを思い出して欲しいの」 「重たいな」 「ヘビー級に重たいですね」 結局、航は満にペンギンのぬいぐるみを、櫂はペンギンとイルカのぬいぐるみを誉に買ってもらった。 「さて、まだ時間も早いですし。 少し散策でもしませんか。 櫂は海を見たいんですよね」 「はい」 「いいね、行こう行こう。じゃぁ、はい」 「何で俺に荷物渡すんだよ」 「航は満と車に荷物を積んできて。 僕は櫂くんとお散歩してくるから」 「え、満と二人なんて嫌」 「わかりました。 航、イルカさん持ってください」 「……」 はあ、とため息をつく航の傍ら、満と誉はアイコンタクトをして頷き合う。 ここからは別行動をした方がお互いのためだと納得しあった証だ。 そして誉は手際よく櫂の顔を始め露出している箇所に日焼け止めクリームを塗り、帽子を被せ、アームウォーマーをつけさせるとその手を引いて歩き出した。 なすがままの櫂も櫂だが、手慣れすぎている誉のその所作に航は素直に引く。 誉のそれは、どう考えても家庭教師の域を越えた尽くしぶりだ。航が真面目に二人の関係が心配になったところで、 「さ、我々も行きましょう。 貴方もそろそろケアが必要でしょうから」 と、満が声をかけていた。 「ケア?」 「ええ」 「ひゃっ、こら、スイッチ入れんな……っ」 「ふふ、このまま車まで行きましょうね」 「こ、こんなところで尻を揉むな!」 午前中はちらほらと空きがあった駐車場だが、今はもう殆ど満車になっていた。 水族館というのは改めて人気があるのだなと航は思いながら、満に促されるままぬいぐるみをトランクへと入れた。 さて、満のトランクだが、思いのほか奥行きがある。奥に入れた方が収まりが良いだろうと少し背伸びをし、腹ばいになってそれを座席裏まで押し込んだ瞬間。 「?!」 ブルブルッといきなり最大出力で尻の中のバイブが震え始めた。 「えっ、みつる。ちょっ、いまダメだって」 航は慌てて振り返り立ち上がろうとするが、満に腰をつかまれ抑えられてしまう。 更に足を開かれ、割って入ってきた満の膝がズボン越しにバイブの柄をグリグリと押された。 「やっ、あ……っ」 するとその時、満のすぐ背後からあどけない子どもの声が聞こえた。 「パパァ、はやくー!」 「待ちなさい、危ないよ」 はしゃいだ子供の声に大人の声が続く。 それなのに満は膝を止めてくれない。 航は慌てて口をふさいで、その刺激に耐えた。 つま先立ちの足が、ピクピクと痙攣する。 親子の足音が遠ざかると、今度はジッパーが下げられる音が響いた。 「満、おい。……んっ」 そして下着が開かれる。 完全に尻が外に晒されている。俄に混乱しながら体を反らして逃げようとすると、満がその背中に伸し掛かって来た。 そして航の耳元で、シーッと息を吐く。 その次の瞬間、また人の声がして隣の車のドアが開く音がした。 「あんまり大きな声や音を出すと、バレちゃいますよ」 「てめ……」 「いい子にして」 「……っ」 そう言っている間にも、また満の背後から人の足音が聞こえる。 あまりにも人通りが多すぎる。危険だ。 航は口を両手で押さえ、大きな満の体の下に大人しく収まる。 「……っ、っ」 一方でその間も甘やかすことなく満の攻めが続く。バイブを抜き挿ししながら前の方まで手を伸ばしてきた。先走りで相当濡れている先端をにゅるにゅると撫でたあと、巧みに竿をしごく。 「うう、う……」 視界の端っこがチカチカするのを自覚しながら、航はそうくぐもった声で唸った。 拘束されたままのペニスの根元が酷く痛む。 対し後ろの孔は、震えるバイブに同調してずっと痙攣し甘く疼く。 「あー……」 航のビクビクっと太ももが震え、もう何度目かわからぬ射精なき絶頂を知らせた。 満はフッと笑うと、そのまま航の腰を持ち上げて、素早くトランクに体ごとを押し込む。 タン、とバックドアを閉めたところで、外にいる満の後ろをカップルが二組通って行った。 大きなバックドアウインドウから、その露わになった下半身が外の人に見えてしまう気がして、航はずりずりと後ずさりをした。 トン、とその背中が先ほど置いたペンギンのぬいぐるみに当たったところで、リアドアが開く音がする。 振り返ると、満がにんまりと微笑みながら車内に乗り込んで来た。 「ちょっと待ってくださいね。 あ、そっちに寄って」 「へ?」 満はそう言って、手際よくリアシートを倒していく。 するとフルフラットな空間が現れた。 大人二人が寝ても全く問題ない程の広さだ そして満は購入したペンギンをまるで枕のように並べ、両手を広げる。 「何だよ……」 航は怪訝そうにそれを見ながら更に尻一つ分下がった。いや、彼が何を示唆しているかは分かっているが、従ったらまた一つ人として何か大切なものを失う気がして躊躇していた。 「早くしないと、誉と櫂が戻ってきますよ」 「……」 「まあ、私は別に構いませんけど」 「卑怯だぞ」 「今に始まったことでは」 「……っ」 航は憤った顔をしたが、一方で逆らえる訳もなく満の元へと赴く。 しかし立ち上がると、バックドア・リアサイドウインドウから見えてしまいそうで躊躇する。 「誰も中まで見やしませんよ」 「けど」 「大丈夫です」 仕方なく、航は満に言われた通りその方へ向く。そして満の足を跨ぎ膝立ちで向き合った。 開いたズボンのチャックから、局部が丸見え無ことに気づいた航が手で隠そうとすると、満はそれを直ぐに制した。 「肩に手を乗せて」 航が大人しく言われた通りにすると、満は目を細めた。改めて航の姿をゆっくりと上から下まで見て堪能する。 航は強い羞恥心に苛まれながら、まだ全部脱いでいた方がマシだったと思った。 満は済ました顔のまま言う。 「キスしてください」 「……」 ぐ、と下唇を噛んで俯いた航はだったが、直ぐに意を決したように顔を上げる。 そして満に顔を寄せ、そのまま口付けた。 啄むような軽いキスを何度か繰り返しながら、満がいつもしてくれるそれを思い出す。 航は満の唇を舌で割り開き、そっと自身のそれを挿入した。満の舌を何とか探し当てて、先でツンツンとつついてみる。 しかし満の舌が動いてくれないので、航は仕方なく更に深く自分のを挿し入れた。 何とかそれを絡め取って吸う。するとようやく満の舌が動き始めた。 「んっ、ん…」 途端ぶわりと広がる快感に、航の腰が震える。 「ふぁ……」 「舌、ちゃんと動かして」 「んむぅ」 満はぬるぬると緩く航のペニスの先端をしごきながら言う。 相変わらず下手くそなキスだ。 しかし、一生懸命で微笑ましいキスだった。 「あ、みつ……」 「口、離さない」 「んっ」 航の拙いキスを受け入れながら、満はその後孔からぬるりとバイブを脱いた。 それから孔に指を2本挿入し、くちゅくちゅと浅いところを弄る。 航は、満の肩を頼りながら何とか体勢を保ちキスを続ける。膝も腰もすでにガクガクだ。 満が指を広げると、半日をかけて拡張された航の孔は容易に拡がった。 そしてそこに満が自身をあてがった。 すると、航はギクリと体を震わせ顔を上げる。 「腰、落としてください」 「……っ」 それは自ら腰を振り、胎内に満を受け入れろということだ。航は戸惑いと不安が入り混じった顔で満を見やる。 「それから、またお口がお留守ですよ」 航は下唇を噛んで暫く俯いていたが、やがて意を決したように顔を上げた。 それから満の首に手を回し、もう一度キスをする。今度は満から舌を絡めてきてくれた。 一つ荷が降りてホッとしながら、航はそろそろと腰を落とす。 航の後孔は、いとも簡単に満を受け入れた。 そしてまるで満を待ち望んでいたかのように悦びながら胎内に導いていった。

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