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第8話
俺と理人さんが、同時に捧げた初詣での祈り。
もしも、それが原因だとしたら。
俺たちの願いを、神様が聞き届けてくれたのだとしたら。
神よ、願いごとの叶え方が斜め上すぎやしませんか……!?
確かに、心の声が聞こえるようになってから、理人さんは〝もっと俺のことを好き〟になってくれたのかもしれない。
理人さんが口に出さない願望も先回りして叶えてあげることができたし、理人さんはその〝以心伝心現象〟を、素直に俺たちの愛情の深さだと信じていた。
もちろん、俺たちが愛し合っていることは嘘じゃない。
でもーー
「佐藤くん……?」
俺が求めた〝好き〟は、これじゃない。
(どうしたんだ、急に止まって)
俺はたとえ、理人さんの心の声が聞こえなくたって……
(もしかして、今夜も『疲れたからやめよう』って言われるのか……?)
聞こえてきた理人さんの心の声が、ものすごく切なくったって……
(俺はずっとずっと、佐藤くんが好きなのに……)
ものすごく、かわいくったって……
(大好きなのに……っ)
俺は……
「……」
「佐藤くん……?」
「……」
「しない、のか?」
「……」
ええい、こんちくしょうめがッ!
「あっ……」
ええいままよ! ……と煩悩に操られた勢いそのままに下着の中に手を突っ込むと、理人さんのお尻が素速く遠ざかった。
(ま、まずい……!)
え、何が?
(今日はなか洗っただけで、ちゃんと最後まで準備してないんだった……!)
ふーん。
あ、そう。
理人さん、今夜も、なか、洗ってたのか。
でも、最後まで準備してないってことは……ああ、くそ。
余裕で想像できてしまう。
理人さんはきっと、なかを洗ったところでふと我に返って「なに、やってんだ俺。もう、佐藤くんは、俺のことなんか好きじゃないのに……」とか言いながら、ひとりでメソメソしていたに違いない。
なんて、いじらしいんだろう。
かわいいし、
エロいし、
むかつく!
「うわっ……!?」
俺は、理人さんの上半身を思い切りベッドに押し倒した。
反動を利用して浮き上がった下半身から衣服をもぎ取り、長い脚の間にすばやく自分の身体を潜り込ませる。
慌てて起き上がろうとする理人さんの抵抗を封じ込めると、プリプリの尻肉を割って、露わになったそこに舌を這わせた。
止めようとする手をベッドに縫い付けて、ひくひく震える蕾をこじ開けるように、舌先を捻じ込んでいく。
(も、もしかして、舐めっ……!?)
ああ、そうだよ。
舐めてるよ。
「な、なんでっ……」
(もうずっと、そんなことしてなかったのに……!)
なんでって?
思い知らせてやりたいから。
そして、いい加減に信じてほしいから。
俺が、理人さんのこと嫌になったりするわけないって。
手放したりするわけないって。
理人さんのためなら、俺はどんなことでもするんだって。
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