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結ばれた二人⑥
「其方の精液を使う必要なんてなかったな。仔空 の尻からは次から次へと湧き水が溢れ出してくる」
割れ目から溢れ出す愛液は、玉風 の腕を伝い布団に恥ずかしいシミを作った。子宮を持つ坤澤 が、乾元 を受け入れる為に与えられた体の仕組み。全ては乾元を悦ばせる為に。
「はぁはぁ…申し訳ありません。雨露期 でもないのに、はしたない……」
「いや、其方はいつも綺麗だ。気持ちいいか?」
「はい。とても……」
「なら、続けていいか?」
本当は今すぐにでも抱きたいだろうに、余裕のない顔で自分を気遣う玉風を見れば、仔空の瞳から大粒の涙が溢れた。
「陛下は、坤澤をお抱きになるのは初めてですか?」
「ああ。坤澤どころか、男を抱くのが初めてだ」
「え……?」
仔空は目を見開いて、玉風から体を離した。
「陛下、ごめんなさい。僕が男で……」
「仔空……」
「こんなにも貧相な体で……ごめんなさい」
仔空の瞳から、先ほどとは違う意味を持つ涙が溢れ出す。
「大丈夫。大丈夫だ」
玉風は仔空をそっと抱き寄せて、頬に唇を寄せる。まるで家宝を扱うかのような丁重な手付きに仔空は安堵し、目を細めた。
「大丈夫だ。其方は、俺の『運命の番』だから」
「運命の、番……あ、あッ! あぁ……」
2本、3本と指を増やされ掻き回される。ついさっきまで自分が望んで止まなかった行為に、全身が悦びで打ち拉がれた。
「陛下、陛下……」
「何も心配することはない。ごちゃごちゃと余計な事を考える暇があるなら、黙って感じておれ」
「あぅ、あ、あぁッ!」
「其方のいいところを、見つけたな……」
悪戯っぽく囁かれ、一点を集中的に苛められる。指で掻き回されたり、出し入れされたり……仔空の目にチカチカと星が舞い、頭の中が真っ白になった。
「お願いです……陛下……これ以上焦らさないでください」
涙が次から次へと仔空の頬を伝う。頬に張り付いた仔空の髪を、玉風が愛おしそうに掻き上げて梳いてくれた。
「其方、色っぽいな。今まで抱いてきた女など、比にならない」
そう呟く玉風の目の色が変わった瞬間。一番見たかった獣の玉風。真っ赤な灼熱の炎を身に纏い、孤高な魂が仔空を惹き付けて止まないのだ。
「もう俺も限界だ。仔空、入るぞ」
「陛下……」
後孔に玉風の熱い昂りを感じ、思わず仔空の背中がブルブルッとのけ反る。
「あ、あぁッ!」
何回男に抱かれても慣れない、この違和感。
「これが坤澤か……気持ちいいな」
陶酔しきった玉風の顔を見た仔空が、キュッと玉風を咥え込んだ。
「仔空、今までに抱いた体の中で最高だ」
「あ、あぁッ!」
そのまま一気に玉風自身を根元まで押し込まれれば、簡単に最奥まで到達してしまい、津波のような快感が押し寄せてくる。
「んぁ、ん……入ってきた……気持ちいい……」
ユルユルと腰を動かされ余裕はなくなり、必死に玉風にしがみついた。
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