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「あの、柴君はさ……」 「――うん」 「なんとなく状況から推測すると、つまりアレなの? 令和の陰陽師というか、霊媒師というか、ゴーストバスターズ……!?」 「ぶはっ(笑)」  礼二郎がとても神妙な顔で問うものだから、柴はつい噴き出してしまった。 「わ、笑いごっちゃないぞ! 俺は真面目に聞いて――」 「うんうん、ごめん。いきなり横文字出てきたから驚いちゃって。えーっと、ウチは寺だから陰陽道ではないかな。霊媒師……もまあ近いけど、俺は除霊師って自称してるよ」 「除霊って……やっぱゴーストバスターズじゃんか!!」 「ひとりだけどね」 「こてっちゃんいるじゃん!!」 「あ、そっか。(犬は複数形に入れてもいいのか?)でもコイツ、霊側だけど」 「あああ、そうだったァ……!」  霊が霊を倒す場合はどう呼ぶのだろう? 礼二郎は頭を抱えた。 「あ、電車来た。槐君、気分はどんな? 大学行ける? 多分2限はもう間に合わないけど」 「うう、行くぅ……」 「ふは、真面目だなぁ」  柴はこどものように口を尖らして『行く』と言った礼二郎に苦笑して、礼二郎はそんな柴をむぅっと睨みつけた。 「柴君はメガネなのに、真面目を笑う……」 「メガネが全員真面目だと思わないよーに。しかもこれ、ダテだし」 「なに!? つまり、オシャレメガネ!?」 「オシャレかどうかは知らないけど、顔を隠したいだけだよ」 「な、なんで……?」 「あーホラ、急がないとドアが閉まる!」  柴が礼二郎の腕を引っ張り、電車に乗り込んだ。

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