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第8話

「あッ…あッ…」 激しめの快感が腰から背中を駆け抜けていく。 『…まさかこんな歳になって乳首を吸われて…しかも感じちゃうなんて!』 真はこんな自分に地味にショックを受けているが、膨らみも立派な筋肉も何もない平坦な胸に夢中で吸い付いている翼も別な意味でショックだった。 ジュウジュウ吸っているかと思えば翼の熱い舌が先端をグリグリと刺激する。 何度も自分で触ってみたが悶えるほどの快感を得る事は一度もなかった。 なのに…今真は有り得ないほど感じまくっていて、ついつい翼の頭をギュッと抱えてしまう。 『あの幼かった翼がこんなに大きくなって…しかも自分好みでおまけにすこぶる優しい優良物件…』 しかし幼い頃を知っている…そのせいで背徳感が半端ない。 男なのに…歳上なのに…。 チラッと胸を覗き込むとちょうど翼は真の胸から口を離し赤い舌を伸ばしている所だった。 まだ吐息が掛かるほどの近さで翼が息をする度にわなわなと腰がビクつく。 まじまじと見下ろすと自分の胸がこんなに赤く充血して、しかも腫れているなんて今だかつて見たことない。 「ペロッ」 「あ!ううン!!」 赤い舌は真の胸を下から上へと舐め上げ再びジュッと吸い付いた。 『嘘!ち…くび…何でこんな…気持ちい…』 こんなに強い快感に経験がない真はその気持ちよさを逃がせずにいた。 どんどん溜まっていく熱がもう決壊間近なのは目に見えている。 「うわ…エッロ…」 翼が反対側をしゃぶろうと口を離した時に呟いた。 「マコちゃん腰動いてるよ…?俺の体に押し付けて擦って気持ちいいね」 真の昂りは既に限界で、自覚無く己の昂りを翼の胸板に擦り付けていた。 「やッ…言うなよ…」 翼に指摘されて恥ずかしくて堪らないのに動きを止める事なんて出来ない。 羞恥でいっそう悶えながらも熱が放出できずにいると背中を撫で上げられながら再び強く胸を吸われた。 信じたくない事に同時に真の後ろには幼い頃可愛がっていた幼馴染の指がにゅくにゅくと蠢く。 『こんなシチュも想像したけど…現実の方が…す…凄い!』 語彙力もなにも無く、ただただされるがまま…翼に好き放題される真。 「あ…らめぇ…も…もう…」 真が抱いた罪悪感はもうどこかへと消え去ってしまい今は一刻も早く熱を解放したかった。 「あ…もう…イ…イくぅッ!」 膝がガクガクと震え、真は全身を硬直させながら盛大にイった。 開放された瞬間、真の目の前が光に包まれフワフワだかクラクラだか…とにかく気持ちよく意識が飛んだのは間違いないだろう。 「マコちゃん…マコちゃん?ね!大丈夫?」 翼が俺を呼んでいる。 でもそれは段々と遠ざかり俺は抗えない微睡みに包まれてしまった。 「…うん、…そう。じゃあね」 小さいけれど誰かが喋る声がする。 寝返りを打とうとしても体は気怠くて、でもポカポカしていて…しかも部屋の中はなにやらいい匂いがしていた。 「ん…」 真はベッドの上でうごうごと惰眠と戦いつつコロンと顔の向きを変えた。 そして途端、動きを止めた。 「マコちゃん、おはよ。あ、もう昼はとっくに過ぎて夕方だよ?一応軽食は勝手に用意したんだけど」 「…いや…何で翼がいるの?」 「忘れちゃった?それとも夢だと思ってる?」 「…何の事よ?」 つい知らないふりをしたのだが、本当は知らない訳は無い。 だらしなく寝転んだままだがもちろんちゃーんと覚えている。 さっきまで、真が寝落ちるまで言葉で言えないような衝撃的ないかがわしい事をしてたんだから。 「もうね、学校通わなくていいんだよ、俺」 「は?」 いやいや、三月いっぱいは高校生だろ? 「だからさ、新しい生活に早く馴染めるように今日からここに住んでいいかな?マコちゃん」 「…ぇええ!!」 驚きのあまり声のボリュームが<<<と上がっていった。 「うちの親もミチコさんにも了解はとってあるからさ、いいかな?」 全然良くないに決まってる。 だってどう考えても健全に過ごせるはずがない。 それに学校生活を締め括るイベントだって、ある。 「だって…卒業式とか…」 「その日だけ学校行けばいいって宏美さんの許可もらってる」 「そ…空が寂しいんじゃ…」 「空だってもう子供じゃないよ?とっくに恋人いるし」 「…はぁ?」 高校生の分際で恋人だと? …いや、今そんな事はどうでもいい。 「…でも、部屋を片付けたり…それから…えっと…そうだ!ベッド!姉ちゃん持ってっちゃったから買わないと…ひッ!」 突然翼がベッドに転がっている真に覆いかぶさった。 「…観念しなよ?マコちゃん。一緒に暮らすだけでしょ?」 にっこりと蕩けるような笑顔が逆に怖い。 「ひゃ…ひゃい…」 操られているように軽率に肯定する言葉を真は吐いた。 だが胸の内は違う。 『嘘だ…!これは絶対に嘘!!』 心の中では分かっていても何故か体は逆らえず… 同性でも惚れてしまうような微笑みに延髄反射で同意してしまった。 「じゃあ、今日からよろしくね!マコちゃん」 …さて、真の貞操は如何に?

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