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あのキラキラと輝いているようにも見えた金色の髪。
それを無造作に結んで笑っていた男。
小学生になって父のように完璧てあろうと必死だった俺は返ってきたテストを見て目の前が真っ暗になった気がした。
四十五点なんて父には見せられない。
捨ててしまおうかと河原に向かったが、投げることもできずに蹲 る。
どうにもできずテストを握り締めていた。
破いて捨ててしまえばいい。
なのになぜかそれができない。
「お前どーした?暗くなったらここ危ねぇぞ」
そんな時に声を掛けてきたのがその男。
学ランの前を開けて耳にもピアス、首にもゴツいネックレス、金色の髪に、手にはタバコ。
不良だ!!と慌てて逃げようと思うのに腰が抜けて立ち上がることもできなかった。
「別にお前みたいなガキ、殴んねぇし、喰わねぇよ」
男は笑って俺の横に腰を降ろす。
「どーした?」
タバコの火を消して顔を覗き込まれて、グッと泣きそうになるのを堪えた。
この男が怖いからか、俺の話を聞いてくれようとするのが嬉しいのか……。
「言いたくねぇならいいけど……でも、聞いてって顔には書いてあるぞ?」
そう言って俺の頬に人差し指を突き刺してくる。
「ほら、ここに」
驚いてその頬を押さえると男は笑った。
だが、頬を押さえたことで俺の手からはテストが落ちる。
よりにもよって四十五点が丸見えで俺はグッと唇を噛み締めた。
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