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春雷の夢(付き合う前と後)

《 説明 》 度々悪夢にうなされている春雷兄さんですが、二人がまだ付き合ってない頃、清明兄さんに「好き」って言われて意識しすぎて、変な夢(ちょっとセクシーなやつ)見て飛び起きた事があって欲しいな。 ……という妄想の短編です。 さらに、付き合った後バージョンもあります。冒頭部分は同じ内容です。 春雷視点です。 ________________ 『夢』(付き合う前) 寝台に並んで腰掛けている清明がこちらをじっと見つめている。 握られている手は引っ込められなくて、だんだん近付いてきて、彼がいつも纏っている檀香の香りが広がって、息がかかりそうなくらい近くで、 「口づけしても……いい?」 「     」 ・ ・ ・ 「…………!!!???」 弾かれたように飛び起きた。 驚きすぎて胸が苦しい。 夢だった。 妙にリアルで、握られた手の感覚がまだあるような気がして震える左手を見つめた。 自分は一体、何と返事をしようとしたんだろう。 外はまだ暗い。 続きを見てみたいような、怖いような…… 息を深く吸って、目を閉じた。 ________________ 『夢、じゃない』(付き合った後) 寝台に並んで腰掛けている清明がこちらをじっと見つめている。 握られている手は引っ込められなくて、だんだん近付いてきて、彼がいつも纏っている檀香の香りが広がって、息がかかりそうなくらい近くで、 「口づけしても……いい?」 「……うん」 目を閉じて、手を握り返して、少し唇をとがらせて、清明の気配がすぐそこに…… 「うん?」 違和感を感じて目を開けると、横向きに寝ていた私の目の前に本物の清明が横になってこちらを見ていた。 私の寝台で。 「起こしてしまったか、すまない」 「いつ来たんだ?」 清明は時間に関係なくこの家を訪ねてくるので、夜間など私の返事がなければ勝手に入っていいと言ったら、本当にいつの間にか居る時がある。 「つい先ほど」 「今日はどうした?」 「会合の帰りだ。顔だけ見て帰ろうと思ったが、ちょっと休んでいこうかと……」 「今、夢の中でお前と口づけするところだった」 「な……!本物とすればよいではないか…!?」 目を輝かせて言うので、良くないと思いながらもつい困らせたくなってしまう。 「眠いから、夢の方にしておこうかな」 清明はちょっと残念そうな顔で 「夜中に起こした私が悪かった……明日、は無理だな。明後日、出直す」 と、視線を斜め上に泳がせながら予定を考えはじめたので、ふざけるのはここまでにしておこう。 「やはりここは、本物で」 寝転んだまま清明の方に頭を動かすと、先ほどの夢の続きのように清明の顔が近づいてきて唇を塞がれた。 ________________

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